- 2013/10/31 掲載
建材・住宅設備機器メーカー業界ランキング:M&A進めるLIXIL、世界はさらに上へ(2/2)
同社は1960年から空調・配管設備や建材を扱うイギリス企業なのだが、2010年、スイスに本社を移転した。イギリスでは企業に優しい海外税制に惹かれて本社を移転するケースが相次いでおり、ウーズレーもその列に加わった。(ちなみに、ウーズレーの前身は1887年に創業された羊毛刈込機械メーカーであり、1970年代まで存在した自動車ブランド「ウーズレー」は自動車部門が分離したもの)
業界ランキング5位と6位も欧州勢となっている。5位に入ったフランスのラファージュ(売上高209億ドル)は、1833年創業のセメントメーカー。日本では、2001年から麻生セメントと資本提携をして事業を展開してきた(2012年に出資比率を大幅削減)。6位はドイツのハイデルベルグセメント(180億ドル)だ。1873年に創業した同社は、1970年代から積極的にM&Aを進めることで、40カ国以上で事業を行う世界的なセメントメーカーとなった。
日本企業も独特の業態で存在感示す
6位まで欧州勢に占められていた業界ランキングだが、7位に非欧州勢として入ったのが日本のLIXILグループ(売上高156億ドル)だ。上位に位置する欧州勢が主に建材を扱っているのに対し、LIXILグループは住宅設備機器に強いのが特徴と言える。海外の住宅設備機器メーカーは取扱品目が限定されているため、売上高も10~20億ドルにとどまっている。一方、日本の住宅設備機器メーカーは総合メーカーであり、売上高も大きい。LIXILグループが7位に食い込んだのも、日本独特の業態が影響している。
業界ランキング8位には中米メキシコのセメックス(売上高153億ドル)が入っているが、こちらもセメントメーカーだ。やはり、海外勢には建材関連企業が目立つ。1906年に創業した同社は、50カ国以上に展開している。
9位と10位はいずれも日本企業だ。まず9位の旭硝子(売上高149億ドル)は、世界最大のガラスメーカーとして知られる。1907年、旧三菱財閥の一員として創業された。
次に、10位のダイキン工業(売上高147億ドル)は、世界最大の空調機メーカーである。1924年創業の同社は、1930年代から空調機を取り扱うようになり、1970年代から海外展開を積極化。2012年にはアメリカの空調大手グッドマン・グローバルを買収した。また、ダイキン工業は空調機以外に冷凍機や化学製品なども扱っている。
ベスト10には入らなかったが、日本のセメントメーカーも12位にランクインしている。太平洋セメント(売上高88億ドル)だ。同社は、1998年に秩父小野田と日本セメントが合併して誕生した。
日本の建材・住宅設備機器関連企業にとって、高齢化・人口減によりシュリンクしていく日本市場だけでなく、人口が増え続ける新興市場やフロンティア市場での成功が事業の命運を左右することになる。今後も積極的なM&Aが展開される可能性は大いにあると言えそうだ。
なお、今後も本連載ではさまざまな業界をランキング形式でお伝えしていく予定だ。取り上げて欲しい業界など、要望があれば、ぜひ下部のアンケートにてご記入いただきたい。
1) | 各社ホームページ |
2) | 日本経済新聞 |
3) | Forbes Global 2000 Leading Companies |
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