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- 2020/12/02 掲載
相次ぐ「終電繰り上げ」、「来春からじゃ遅くない?」とつっこむ人の勘違い
連載:MaaS時代の明日の都市
感染再拡大で飲食店に再度時短要請
世界レベルで感染の第3波が広まっている新型コロナウイルス。国内でも1日の感染者数は過去最多を記録する日が続き、都道府県別でも東京都をはじめ、最多記録を更新している場所が多い。感染対策として、札幌市と大阪市がGoToトラベルの一時除外となり、東京都では11月28日から12月17日まで、感染防止のため酒類を提供する飲食店やカラオケ店などへの午後10時までの時短要請が始まった。都では3度目の時短要請となる。
要請の対象がなぜ酒類を提供する飲食店やカラオケ店だけなのか、批判の声も目立っているが、政府の感染症対策分科会が10月23日の提言の中で挙げた、感染リスクが高まる下記の「5つの場面」には納得している人も多いだろう。
(2)大人数や長時間におよぶ飲食
(3)マスクなしでの会話
(4)狭い空間での共同生活
(5)居場所の切り替わり
(1)と(2)は具体的に飲食と記してあるし、(3)は会食、(4)はカラオケも該当する。もちろん飲食店やカラオケ店も、換気や消毒など打てる対策は打ってきたはずだが、感染再拡大という事態に時短対応は仕方がないと考えている人も多いだろう。
鉄道事業者は続々と「終電繰り上げ」を宣言
飲食店が要請を受けての時短を強いられている一方、モビリティの分野では逆に、鉄道事業者側が時短宣言している。JR東日本は9月3日の社長会見で、来年春のダイヤ改正で終電時刻の繰り上げなどを行うと発表した。具体的には、主に東京100km圏の各路線で、作業の近代化や機械化を推進するために終電から初電までの間隔を240分程度確保することを念頭に、各方面への終電時刻を現在より30分程度繰り上げ、終着駅の到着時刻をおおむね午前1時頃とする改正を行うとのこと。また、一部線区では初電時刻の繰り下げも実施するという。
こうなると接続する他の鉄道の動向が気になるが、こちらも11月以降、小田急電鉄、西武鉄道、東急電鉄、東京メトロなどが相次いで、来年春からの終電繰り上げを発表。結果的には多くが追随する形になった。
終電繰り上げを最初に発表したのは首都圏の鉄道事業者ではなく、JR西日本だ。8月26日の社長会見で、来年春のダイヤ改正で近畿エリアの主要線区を対象に、10分から30分程度終電を繰り上げることに言及。翌月概要を発表した。他に関西では京阪電気鉄道が終電繰り上げを行うとしている。
ただ、JR西日本が終電繰り上げについて言及したのは今回が初めてではない。過去に2019年11月の社長会見で、終電の繰り上げと深夜帯ダイヤの見直しに着手すると発表している。コロナ禍での利用状況変化が実行を後押しした形だ。
コロナ禍での「終電繰り上げ」という「時短」宣言で、感染対策が最たる理由だと思ってしまいがちだが、実はそうではない。さらに、飛行機やバスはコロナ禍で利用客の減少に伴い減便を実施したが、鉄道は多くがダイヤ通りの運転を続けた。今回、鉄道事業者が減便ではなく終電繰り上げという手段を選んだのは、鉄道独特の事情が絡んでいると考えている。
【次ページ】多くの鉄道事業者が「終電繰り上げ」を選ぶ理由
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