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- 2025/03/14 掲載
小田急に勝る?京王沿線「コスパ最強」と言える理由、エリアの魅力を象徴する駅とは?
連載:小林拓矢の鉄道トレンド最前線
何が難しい? 都市部の私鉄経営の特徴
鉄道会社、特に私鉄は、沿線の価値を向上させることを企業戦略の重点に置いている。安全に鉄道を走らせることは大前提として、その上でさまざまな事業を組み合わせ、高い付加価値を生み出し、住民にも満足してもらえるような沿線開発に取り組んでいるのだ。しかし、それが行き過ぎると、ふつうの人には暮らせないほどの高級感あるエリアになってしまい、人によっては無理な生活を送らなければならないエリアになる。もちろん、「憧れ沿線」を作るという経営戦略を採用する私鉄もあるのだが、そういう沿線はいささか派手であり、住む人にとっては生活費がかかりすぎるという問題も発生する。
そうかと言って「格安沿線」に暮らすとなると、周辺環境があまりにも整備されていない、という問題がある。そしてそれは、その沿線を運営する鉄道会社の経営戦略がうまく機能していないことの現れだとも考えられる。
京王電鉄が「沿線作り」で重視する“ある要素”
このように、私鉄経営のかじ取りは難しい部分がある。だからこそ、一般的な生活水準の人が“暮らしやすい”と感じ、かつその沿線に暮らせていることが“お得”にも感じられるような沿線を作れる、というのは私鉄経営の大きな強みと言える。そうした"ほどよい沿線”作りに長けているのが京王電鉄だ。京王電鉄沿線は、派手さには欠ける沿線である。生活の利便性は高いけれども、高級イメージにあふれているわけではなく、郊外に行くと不動産価格が比較的安い状況にある。かといって生活するには不便ということは決してなく、商業施設なども充実している。
実際、多くの人は、ハイブランドにあふれ、食品スーパーも比較的価格の高い店ばかり、道路には高級車が行きかう、という街に気後れしてしまうのがホンネであろう。京王電鉄は、そうした高級感ある沿線にはせず、しかし生活面では利便性を重視し、かつ長く住んでもらい、鉄道を利用してもらう、という戦略をとっているのだ。
京王沿線の魅力を象徴する…“重要駅”はどこ?
京王沿線は、都心と郊外とを行き来する路線となっており、その便利さを象徴する駅がいくつか存在する。1つ目は、沿線のターミナルとなる新宿駅。2023年度の平均乗降人員は65万4492人である。新宿発着の列車もあれば、新線新宿から都営新宿線に乗り入れる列車もある。
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