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  • 2024/09/27 掲載

EV参入の裏にある、シャープの野心的な「復活シナリオ」とは?初EVは「技術全部盛り」

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ソニーに続く第二の家電メーカー発のEVは、シャープのEVとなるのか。9月17日、シャープは初のEVコンセプトモデル「LDK+」を公開した。シャープが持つ技術が詰め込まれ、さらには家庭用蓄電池や太陽光発電とつなげたホームエネルギーマネジメントに踏み込んだ野心的な作品だ。台湾の鴻海(フォックスコン)との関係を最大限に生かし、SDV(ソフトウェア定義車両)の実現をも見据えたこのEVは、「シャープ復活」の契機となるだろうか。その勝算を探る。
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シャープが発表したEVコンセプトモデル「LDK+」
(写真:筆者撮影)

シャープが発表「LDK+」はどんなEV?

 9月17-18日に東京国際フォーラムでシャープが開催した「SHARP Tech-Day」で、同社が考える新しいEVコンセプトが披露された。

 「LDK+」(エルディーケープラス)と命名されたこのコンセプトモデルは、文字通り「家(LDK:リビング・ダイニング・キッチン)の拡張空間」がテーマだ。単に走り移動し人や荷物を運ぶだけではなく、停車している時間を自宅の延長のように過ごせる車というアイデアが詰め込まれている。

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シャープのEVのコンセプトモデル「LDK+」
(出典:シャープ プレスリリース)

 特徴的なのは車の後部部分で、リアのベンチシートが180度回転し、可動式テーブルをベンチ前に移動させることで、まさにリビングルームのような空間を得ることができる。リア部分には65インチの大画面スクリーンが設置され、映像を楽しんだりコンピューターモニターとして仕事やリモート会議にも利用できる。

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LDK+の後部座席イメージ
(出典:シャープ プレスリリース)

 停車中は、窓に電動スクリーンが用意されているため、プライバシーも守れる。またこの電動スクリーンには映像を投影することも可能だという。

基盤はフォックスコンのEVプラットフォーム

 家電メーカーによるEVは、ソニーに続いて日本では2社目となる。だがシャープの場合は、2016年に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業(以下フォックスコン)により買収されたことがEV進出につながっている。

 フォックスコンは、EV用プラットフォームを独自で製造し、台湾国内では自社EVも販売している企業だ。

 今回の展示ブースではLDK+と並び、そのベースとなるプラットフォームを持つフォックスコンのEV「モデルC」も展示されていた。前後それぞれにモーターを設置することで、通常よりも長いホイールベースが確保でき、より大きなボディであるLDK+のようなスタイルにも適用可能だ。

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フォックスコンの「モデルC」
(写真:筆者撮影)

 EVのプラットフォームビジネスは、このように1つのプラットフォームにアレンジを加えることで、さまざまなスタイルの車を製造できる点が特徴となる。

 ただし、プラットフォームにボディを被せればそれで車が完成するわけではもちろんない。ボディ、さらにはそこに組み込まれるシャープの独自技術、そして日本の法規制に従う車作りが求められる。あくまで家電メーカーであるシャープにとっては、それをいかにクリアし、パッケージ化するかが課題となる。 【次ページ】EV参入にあたってシャープが声をかけた企業とは
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