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- 2016/11/09 掲載
大阪万博 半世紀ぶりに招致へ、「経済効果6兆円」で関西復興の夢はかなうのか
入場者3,000万人以上、約6兆円の経済波及効果を想定
テーマは「人類の健康・長寿への挑戦」。世界中で高齢化社会の進行が問題になる中、健康と長寿を世界が協調して取り組むべき課題と位置づけ、健康になる万博を打ち出した。さらにサブテーマとして「科学と技術の発展、応用」、「生活と文化の多様性尊重」、「地球環境の保全と共生」も掲げている。
中心施設となるテーマ館では、未来の健康・長寿社会を実感できる内容とするほか、日本の出展ゾーンではAI(人工知能)、ロボット、先進医療など健康・長寿社会を実現する取り組みを紹介する。伝統的な日本の住まいに健康増進技術を集めた「滞在型究極健康ハウス」や来場者が着衣のまま健康状態をチェックできる「健康スマートタウン」を例示した。
このほか、アニメなどサブカルチャーのイベント、和食体験、スポーツなどの企画も採用する。大阪ならではのお笑い文化も健康につながるとしてアピールする計画。関西広域でのイベントも検討中で、神戸市の神戸医療産業都市、京都市の京都大iPS細胞研究所などとの連携を考えている。
開催経費は過去の事例を参考に会場建設費1,200~1,300億円、運営費690~740億円と見積もっている。このうち、会場建設費は国、大阪府、経済界が必要な資金を確保する。運営費は入場料やライセンス使用料で賄う考え。
ほかに、継続中の夢洲埋め立てや地下鉄中央線の延伸、夢洲駅(仮称)の新設などが必要になり、関連事業費は700億円を超す見込み。地下鉄延伸後は夢洲駅からシャトルバスを運行し、会場へ輸送する。
入場者総数は3,000万人以上を見込んでいる。府が試算した全国への経済波及効果は約6兆円。2020年東京五輪後の経済成長牽引役となるとともに、大阪を中心とした関西経済活性化の起爆剤になると期待している。
大阪府企画室政策課は「万博を一過性のものにせず、関西発展のきっかけにすることが大切。関西の新産業でもある健康産業の存在も広く世界に知ってもらえるようにしたい」と意気込んでいる。
1970年の万博は大盛況で黒字だった
1970年に大阪府吹田市の千里丘陵で開かれた大阪万博は、「人類の進歩と調和」をテーマに掲げ、6,400万人以上の来場者を集めた。折から日本は高度経済成長の真っ最中。来場者は日本の発展と人類の進歩に大きな夢を持ち、初めて目にする先端技術に驚きを隠さなかった。その結果、万博自体も大盛況に終わり、黒字を達成している。大阪は万博に合わせ、国道や高速道路、鉄道の整備が進み、一気に先進都市へ姿を変えた。経済界も好況と繁栄を享受し、大阪発の万博景気は国内の他の地方にも波及した。大阪が最も元気だった時代の象徴が万博だったわけだ。
しかし、現在の関西経済界は繊維産業や家電業界の不振などから、長く停滞している。首都圏へ本社機能を移す大企業が後を絶たないばかりか、首都圏よりひと足早く人口減少が始まった。東京1極集中が進む中、存在感を徐々に失いつつある。
【次ページ】府の財政などに課題はないのか?
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