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- 2016/10/27 掲載
セブン&アイとH2Oの提携には「隠し玉」がある
注目は百貨店だけではない
百貨店もイトーヨーカ堂も営業赤字だった3~8月中間期
10月6日、セブン&アイ・ホールディングスが中間期(3~8月期)決算を発表した。連結ベースで営業収益は4.3%減。営業利益は5.2%増だが、イトーヨーカ堂やそごう・西武の不採算店舗の減損処理などで特別損失を約880億円計上したため、四半期純利益は60.4%減という大幅な最終減益だった。また、百貨店事業(西武・そごうなど)は営業収益2.9%減、営業損益は赤字幅が前年同期の8億円から18億円に拡大している。
百貨店も赤字なら、大型量販店(GMS)はそれに輪をかけて赤字だ。イトーヨーカ堂の単独決算は営業収益1.7%減、営業損益は34億円の赤字だった。
スーパーストア事業は営業収益0.8%減、営業利益は前年同期比で約7倍だが、それは既存店売上高マイナス3.3%のイトーヨーカ堂の赤字を、既存店売上高がプラスだったヨークベニマルやヨークマートなどの食品スーパーがカバーしたおかげ。イトーヨーカ堂は通期では110億円の営業赤字を見込んでいる。
構造改革で業績を立て直すセブン&アイの「中期3ヵ年計画」
セブン&アイは鈴木敏文氏が会長職、村田紀敏氏が社長職を退き、5月の株主総会で井阪隆一氏が新社長に就任した。「100日をメドにグループの成長戦略・構造改革案を策定する」という就任記者会見での約束通り、10月6日、中間期決算と合わせて「中期3ヵ年計画」を発表した。その数値目標は、2020年2月期でグループの営業利益を4500億円、ROEを10%に伸ばし、イトーヨーカ堂は2020年までに40店舗を閉鎖する、というものである。
「中期3ヵ年計画」では構造改革の目玉として、H2Oとの資本業務提携の基本合意書を締結したことを強調している。その目的は、「選択と集中」が必要不可欠だという経営判断に基づき、苦戦の続く百貨店事業における資源再配分の実現を図る、とある。関西地区でそごう神戸、そごう西神、西武高槻の3店舗をH2Oに譲渡し切り離す予定になっている。
3店舗は「関西のものは関西に返せ」で、H2Oの「阪急」か「阪神」の店舗に衣替えして再生を図る。だが、「関西ドミナント戦略」を意欲的に進めるH2Oが単に「セブン&アイのリストラの受け皿」にとどまるとしたら、それはもったいない話だ。
10月6日に発表された両社の資本業務提携で協議される内容には、H2Oの発行済株式総数の3%相当金額の株式持ちあい、関西地区の「セブンイレブン」でのH2Oの「Sポイント」の導入、両社の顧客にとってメリットのあるサービスを実現すること、が盛り込まれている。しかし、関西屈指の流通グループであるH2Oの事業には、直接的でも間接的でも、セブン&アイの業績の立て直しに貢献できそうな「隠し玉」が潜んでいる。
【次ページ】セブン&アイとH2Oの「隠し玉」とは
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