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- 2024/08/30 掲載
カナダ企業が「セブン買収提案」の裏事情、あのセブンでも…簡単には断れない理由とは
北米のコンビニ事業獲得が狙い?
日本の小売最大手でコンビニ事業などを展開するセブン&アイ・ホールディングスが、カナダの小売り大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けていることが明らかとなった。セブンは社外取締役で作る特別委員会を設置し、内容について吟味している状況だ。アリマンタションは、日本ではあまりなじみがない企業だが、北米でコンビニ事業などを展開しており、北米市場について言えば、セブンとはライバル関係にある。
セブンはもともとイトーヨーカ堂というスーパーを祖業としており、後に米国でコンビニ事業を行うセブン-イレブンから権利を取得し、日本国内でセブン-イレブンを展開、破竹の勢いで業績を拡大し、現在ではコンビニ業界のみならず、小売業界でも圧倒的なナンバーワンの地位を獲得している。
その後、セブンは米国のセブン-イレブンを逆に買収することになり、最終的には米国セブン-イレブンも傘下に収めた状態にある。ちなみに北米のコンビニ市場は、セブン-イレブンがシェア1位、アリマンタション傘下のコンビニ事業がシェア2位という状況になっている。
アリマンタションによる買収の狙いは明らかになっていないが、セブンが北米でコンビニ1位、アリマンタションが同2位であるという現実を考えると、セブンの北米コンビニ事業獲得が狙いである可能性はそれなりに高い。しかしながら、普通に考えてシェア1位の会社を、規模の小さい2位の会社が買収することは簡単ではない。だが、それが実現できそうな状況になっている背景には、セブンの株価低迷と円安が大きく影響している。 【次ページ】セブンの株価はどれくらい割安か?
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