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- 2016/07/27 掲載
中東のドバイが「モバイル決済天国」になるポテンシャルを秘めている理由
Beaconによるウォレットもスタート!
世界の名だたる決済プレイヤーが参加したイベントとは
近年、Fintechやモバイル関連のカンファレンスの勢いに押され、カード決済を主軸としたイベントは、出展社が減少しているものも少なくないが、そんな中、同イベントは元気がいい印象を受けた。ただ、中東での開催ということもあり、イベント会場で日本人の姿はそれほど見かけなかった。
Beaconを活用した「Beam Wallet」
UAEにおいて、モバイルを活用した取り組みでは、いくつかの面白いサービスが行われていた。まず、ドバイでは、消費者のモバイルアプリとBluetooth対応の専用Beacon(ビーコン)を活用したモバイル決済サービス「Beam Wallet」が展開されている。「Beam Wallet」では、MasterCardのデジタル決済サービス「MasterPass」による支払いが可能だ。
「Beam Wallet」は現在、Carrefour(カルフール)、COSTA(コスタ)、SUBWAY、COLD STONE、ENOC(エノック)など、ドバイを中心にUAEの3,000店舗で展開されているという。
利用者は支払い時に「Beam Wallet」アプリを立ち上げ、暗証番号を入力するなどの操作を行うと認証が行われ、「MasterPass」によるチェックアウト支払いが行える。
スマートフォンアプリとBeaconとの接続はBluetoothで実施。スマートフォンとのBeaconとの通信距離は業種によって異なり、たとえば、ENOCなどのガソリンスタンドでは、ユーザーが車に乗ったまま接続するため、通信距離は長く設定されている。
逆にカルフールでは、レジのスタッフと対面でのやり取りのため、距離は短く設定されているそうだ。
「Beam Wallet」のダウンロード数は約30万。ドバイの生活者に話を伺うと、街で「Beam Wallet」による支払いを行う人は徐々に増加しており、浸透しつつあるという。特にカルフールなど、生活者が日常的に利用する店舗で支払いが行えることも普及を後押ししている。
ドバイ政府の支払いに用いられる「e-dirham」
カードは昨年、300万枚発行されたというが、2015年10月には「eD-Mobile/Wallet applications(ED-モバイル/ウォレットアプリケーション)」をリリース。同アプリは、Android、iOSともに利用できる。これにより、物理的なカードを購入することなく、政府が提供する主要なサービスの支払いを行うことが可能になる。
同アプリケーションには、クレジット、プリペイドおよび銀行のデビットカードを追加することができ、トークンIDを紐づけて安全に支払いができる。つまり、ED-モバイル/ウォレットアプリケーションでの支払い時に、トークンを生成したバーコードにより、自身のカード番号を通知することなく処理されるわけだ。
【次ページ】鉄道、水道・電気代、交通の罰金、病院予約など幅広い利用へ
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