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- 2015/01/09 掲載
Apple Pay登場で注目を集める「決済」の最新動向、押さえておくべき6つのトピック
全米の名だたる企業が参加した「Money20/20」
メインはカンファレンスで、VisaやAmericanExpress、PayPal、Amazon、サブウェイといった世界の名だたる企業のキーマンが登壇。4日間の開催中にはぎっしりとセッションの時間が設けられていた。また、ブース展示は3日から5日までとなり、積極的な情報交換が行われた。
筆者はセッションよりもブース取材がメインだったが、国内からも複数の決済関係者が詰め掛けており、投資を目的に訪れる人も見受けられた。ただ、同時期にフランスでICカードの世界的なイベント「CARTES SECURE CONNEXIONS 2014」(CARTES)が開催されていたため、決済やカードにかかわる業界人は分散したと言われている。ブースを見るとCARTESの場合は、カード決済端末や発行機など、ハード寄りが多い印象を受けたが、「Money20/20」はソリューションやシステム寄りの展示が多かった。
1.サムソンとの提携が噂されるLoopPayは日本にも進出か?
これは、店舗に設置された端末の磁気ヘッドから、カードをスワイプすることなくピックアップする独自の技術を利用して決済させるもの。非接触で決済が行えるが、店舗にはNFCリーダなどの端末を設置する必要はない。米国では、ガソリンスタンドやATMなどを除く9割のPOS加盟店で利用することが可能だ。
課題は、スマートフォンに取り付けて通信が可能なケースやイヤフォンジャックを利用者が購入しなければならない点だが、サムソンのスマートフォンに機能が内蔵される可能性もある。なお、LoopPayは日本でもテストを実施。同社の担当者も「日本はテクノロジーに強い国であり、大きなマーケットになる可能性がある」と期待しているようだ。
2.Apple Payの主戦場はオンラインか?
それは、日本のモバイルFeliCaと同様で、たとえばある日本の飲食チェーンでは、モバイルFeliCaのアプリを導入し、当初はその話題性もあってユーザーを獲得できたが、その後、ユーザー数は伸び悩んでいる。半年、1年経過した際に、どの程度まで浸透し、成果が生まれるのかがポイントになるだろう。
日本でもテストを開始しているJCBの「J/Speedy」も含め、非接触決済のインフラが広まれば、相乗効果で加盟店が広がる可能性もある。実際、Apple Payを幕張の商業施設「イクスピアリ」の「MasterCard Contactless」端末で利用すれば、決済が行えるという話もある。
ただ、Apple Payが利用できるリアル加盟店は開始当初で約3%の22万店。また、当面は非接触決済の特性上、比較的少額の取引がメインになると思われる。
その意味ではあまり注目されてはないが、今回のMoney20/20でも展示を行ったAmazonの「Checkout by Amazon」や、日本の「楽天ID決済」や「Yahoo!ウォレット」、「リクルートかんたん支払い」、「LINE Pay」のようにApple Payの主戦場はオンラインになる可能性もある。
アップルとしても、これまでiOSで閉じていたユーザーが外部サイトでも簡単、安心、スピーディーに決済ができることで、自らの経済圏を拡大することが可能となる。また、将来的にはリアル決済において非対面取引が可能となれば、端末のインフラが整備されなくても存在感を高めることが可能だ。
2015年にはMasterCardのデジタル決済サービス「MasterPass」も国内でも運用がスタートする予定だ。国内においては、IDとパスワードで決済が可能なチェックアウトサービスは発展途上だが、プレイヤーの増加に伴い、より注目を高めると思われる。
【次ページ】Bitcoin決済は根付くか?
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