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- 2014/10/06 掲載
ビズリーチ 南 壮一郎氏が語る“肉食”人材戦略 「グローバルでダイレクトな採用を」
南氏が「人材業界は嘘つきの業界」だと感じる理由
当時自分で起業しようとは思っていなかった南氏は転職活動を開始する。
「1カ月で27社、人材紹介会社を回ってみたが、皆ピッタリの仕事だということで色んな仕事を売り込んできて、27社とも違う仕事を紹介してきた。求職者として、これはとても非効率だ、何かおかしいと感じました」(南氏)
そんな時、楽天時代の上司に会う機会があり、転職活動におけるフラストレーションをぶつけたところ、人材業界の歴史や成り立ち、ビジネスモデルなどについて、詳しく説明してくれたという。
それを聞いた後、南氏が最初に発した言葉は「人材業界は嘘つきの業界ですね」というものだった。理由は2つで、しかも直感的に感じたことだという。
日本の採用市場にはブラックボックスが存在する
「企業には採用ニーズがあるが、自社だけでは人を探せないので、人材会社にお願いして必要な人材を探してもらう。成功報酬ベースで、人が採用できたら料金を支払う。この商売については異論も無いし、素晴らしいです。しかし明らかにおかしいと思ったのが、人材会社と求職者との関係です」
人材会社は転職活動中の人に対し、“○○さんのために適職を探すのが我々の仕事です”と言うが、実は自社が契約している企業の求人案件しか紹介することができない。さらに言えば、求職者が自社の契約している企業に転職しない限り、一銭の売上にも繋がらないという。
「それが正しくないと言っているわけではなく、このやり方が人材会社の商売の本質だということ。生々しい言い方をすると、人材会社にとって求職者は顧客企業のための仕入にほかならず、彼らのために適職を探すといいながら、これは非常におかしなことです」
さらに南氏は、人材会社の言う“求職者にとっての適職”についても疑問を呈した。
「適職を紹介するというが、では一体、適職の定義とは何でしょう。自社がたまたま契約している企業の、何千何万とある求人の中から数十件、割合にして数パーセントの案件の中から選ぶことが、求職者にとっての適職に繋がるのでしょうか」
続けて南氏は、「人材業界は嘘つきの業界」だと感じた2つめの理由を語った。
人を雇いたい企業があり、仕事を探している求職者がいる。本質的に両者のニーズは、とてもマッチングしやすいものだ。それにも関わらず、「人材会社は両者の間にわざとブラックボックスを作っている」と南氏は指摘する。
「企業には何も考えずに、とにかく採用ニーズを丸投げして欲しい。求職者には不安になって掛け込んできて欲しいわけです。そして市場原理には任せず、自社が一番儲かる形でマッチングするというのが、人材業界が望んでいることではないかと思うのです」(南氏)
たとえば10年前、15年前の小売市場が全く同じ構図だった。売り手は買い手がどこにいるのか分からず、またモノを売ろうとすると、買い手に届くまでに問屋がいて、二次問屋がいて、小売店がいて、というようにその間が流通業界というブラックボックスに支配されていた。
「そのブラックボックスのど真ん中に、可視化されたマーケットプレイスを作ったのが楽天です。なぜ採用市場で同じことができないのかという話を当時の上司にしたところ、面白いからやってみなさいと言われました」(南氏)
【次ページ】楽天が小売市場で行ったイノベーションを採用市場で起こす
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