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- 2014/09/11 掲載
ガリバーのデジタルマーケティング戦略、ROI偏重の「刈り取り型」に訪れた限界と対策
中古車を店舗ごとの在庫ではなく“情報”と位置付けてビジネスを拡大
中古車の「買い取り専門店」という当時、画期的なビジネスモデルで急成長を遂げ、現在では全国に約420店舗を展開している。
各店舗で買い取った中古車は、約30か所のカーオークションを介して2~4週間以内に卸されていくが、近年では一般顧客への直接販売にも力を入れるようになった。大まかに言うと、10台買い取った中古車のうち7台がカーオークションに回り、残りの3台が直接販売で売れていくという割合だ。
ユニークなのは、カーオークションと直接販売のいずれにおいても、中古車の現物ではなく画像で取引されていることである。SoftBank World 2014のセミナーセッションに登壇した同社 経営企画室の北島昇氏は、次のように語る。
「ガリバーでは、買い取った中古車を在庫ではなく“情報”という位置づけでとらえている。全国420店舗の中古車情報を自社開発の『ドルフィネット』という自社の画像ネットワークシステムで連携し、販売している。実際、多くのお客さまに画像だけで中古車を購入いただいており、年間の販売台数は約6万台に達している」
さらに、北島氏は「情報のみを扱うことでチャネル開発が軽くなり、多様な業態の販売店をローリスクで展開することができる。あたかもアプリケーションを作るように店舗を作る、ガリバーではそういった感覚で投資を行っている」と同社の強みを強調した。
ガリバーでは現在、高級外車や軽自動車、ファミリーカー、ハイブリッドカーの専門店やアウトレット店、新しいコンセプトに基づく中古車選びのテーマパークなど構成的な販売チャネルを次々に展開。さらに、2017年度末までの中期経営計画のもと、国内のガリバー店舗を800店に倍増するほかグローバル戦略を推進し、ASEAN加盟国を含めたトータルで1600店舗に拡大する計画という。
ガリバーはもともとO2Oの会社、スマートコネクト戦略へシフト
「ガリバーではインターネット経由で問い合わせを受けた後、コンタクトセンターから連絡をとって、出張査定に伺うというチャネルを持っている。来店のお客さまとネット経由のお客さまは、ほぼ半々の割合」
ただ、一方で北島氏は、「俗に『刈り取り型』と呼ばれているROI偏重のデジタルマーケティングに限界を感じていた」とも明かす。IT導入による運用のオートメーション化などによって業務は確実に効率化していったが、肝心のシェアを伸ばすことができず、エンゲージメントも低下していたのである。
【次ページ】顧客価値改革とROI向上を両立させる新戦略
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