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- 2014/08/25 掲載
埼玉県 教育局の”ICTを活用した協調学習”を支える、グーグルの教育市場戦略
埼玉県は次世代型教育を積極的に推進
セッションに登壇した埼玉県教育局 清水雅己氏は、同局の取り組み概要を以下のように語る。
「埼玉県の教育ビジョンとして『生きる力を育て 絆を深める埼玉教育』を基本理念のスローガンとしています。その中でも力を入れているのが、“豊かな創造力の発揮”や“確かな学力の育成”で、従来のような教師による一斉型の授業だけではなく協調学習を積極的に取り入れています」
この”協調学習”というのは、どのような学習方法だろうか。
グループ活動を中心とした学習形態で、学習者が自分なりの理解を深め、その学んだ成果を周囲に広めていく方法を取る。東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構(COREF)がこの活動をリードしており、埼玉県もCOREFおよび教育機関向けの支援プログラムを持つインテルと協定を結び、平成24年から26年まで主に高等学校を中心にこの協調学習活動を進めてきたという。
協調学習活動は、「エキスパート活動」、「ジグソー活動」、「クロストーク」という3つの活動から構成される。
たとえば、「なぜ葉は緑色をしているのか」という問いに答えるのに、グループAには「色はどうして見えるのか」、グループBには「葉緑体と光吸収スペクトル」、グループCには「エンゲルマンの実験」といったテーマを与える。そこでグループなりの答えを得たら、ジグソー活動に移る。
ジグソー活動は、異なる活動をしてきた個人がグループを組み、それぞれ自分のグループで調査した結果をグループ内に伝え、学習課題の解決に向けてさらに議論を進めていく。
最後のクロストークでは、各ジグソーグループが課題の解と根拠を説明、全体で共有し、意見交換を行う。
こうした一連の活動によって、多様な理解が統合されて考えが深まるとともに、1人ひとりが仲間とのかかわりのなかで、自分なりに納得することができるようになるというのだ。
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