2021年、日本でデジタル庁が設立された関係で、私が依頼された取材や講演のテーマに「デジタルトランスフォーメーション(DX)」関連のものが増えました。日本でも非常に関心が高まっているということですね。
私が台湾でデジタル担当大臣として推進しているミッションの一つに「オープンガバメント(開かれた政府)」があり、その中で行った施策のうち、最もDXの基礎に直結するのが、「Open API(注)で政府をオープンにすること」だといってよいでしょう。正確には当時の張善政(ちょうぜんせい)行政院副院長が構想を描き、ジャクリーン・ツァイ(蔡玉玲)前大臣が法律方面を任されていて、私は2016年に入閣する前、2014年頃から、ジャクリーン前大臣のリバースメンター(若手が年長者に助言すること。逆メンターともいう)に就任し、ともに推進していました。すでに台湾の各省庁では、多くの「Open API」が提供されています。
注:
Open API(オープンエー・ピー・アイ)…
API(Application Programming Interface、外部から接続するための仕様や手続きなどのインターフェース)を公開(オープン)し、外部から連携できるようにすること。
1段階目は政府の資料やデータを開放する「オープンデータ」、2段階目は開放された後に何か意見がないか問いかける「市民参加」、3段階目がそれらに政府が回答する「説明責任」、そして4段階目が“3段階目で誰かのことを忘れていないか”を探す「インクルージョン」です。