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  • 2024/06/24 掲載

政府発表の「骨太の方針2024」ポイント解説、経済成長や賃上げ論に既視感だらけの理由

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政府の経済・財政運営の方向性を示す「骨太の方針」がまとまった。賃上げをさらに加速するため、省力化や労働市場改革を進めるといった内容が盛り込まれたが、すでに何度も議論されているテーマであり既視感が漂う。もう1つの焦点であった基礎的財政収支の黒字化については、玉虫色の表現となり、本格的な議論は来年度に持ち越された。
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今回の「骨太の方針」の内容はどうだったか?
(Photo/Shutterstock.com)

かつては大きな影響力を持っていた「骨太の方針」

 経済財政運営の基本方針(いわゆる「骨太の方針」)は、官邸主導で経済や財政の運営を行うため、小泉政権が導入したものである。内閣府に設置された経済財政諮問会議が取りまとめを行っており、毎年、この時期に閣議決定される。

 導入された当初は「聖域なき構造改革」を推進することが国政における最重要課題であり、同方針が政策に与える影響は大きかった。だが相応の年月が経過したことや、多くの政権が改革を避けて通っていることもあり、形骸化が進んだ印象があることは否めない。

 一方で、同方針に盛り込まれた「基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標」の扱いは、常に与党内で議論になっており、今でも相応の影響力があると見なすこともできる。

必要最低限の内容ばかり…?今回の方針の内容

 今回の方針では、日本経済の現状について「デフレから完全に脱却する千載一遇のチャンス」とした上で、「賃上げの動きを定着させ、新しい経済成長のステージに移行させたい」としている。持続的な賃上げの具体策としては、業務の省力化を通じた企業の生産性向上、男女間の賃金格差解消、価格転嫁対策などが盛り込まれており、ある意味でオーソドックスな内容だった。

 しかしながら、「デフレから脱却する千載一遇のチャンス」という表現が、もはや無意味であることは、多くの国民が感じているはずだ。

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今回の方針に示された方策は、必要最低限の措置が多く、逆に言えば、最低限の措置すら実施されてこなかった現実を示している
(Photo/Shutterstock.com)

 日本経済はデフレどころかインフレに悩まされている状況であり、インフレ下においては、継続的な生産性の向上が実現しない限り、半永久的に賃金は物価に追いつかない。今回の方針に示された方策は、むしろ必要最低限の措置であり、逆に言えば、最低限の措置すら実施されてこなかった現実を示している。 【次ページ】いよいよ日本でもジョブ型雇用が本格化
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