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組織においてマネージャーのあるべき姿とはどのようなものでしょうか。マネージャーに求められるスキルとともに、役員などの立場の人がマネージャー候補を選ぶときに役立つ「マネージャーにふさわしい人」を見抜くコツを、全国3000社にコンサルティングを行う識学の上席コンサルタント、有手啓太氏が解説します。
マネージャーの「本来の役割」とは何か
そもそもマネージャーは社長の代理執行者です。マネージャーは「社長が自分の立場だったらどう動くか」を常にくみ取って行動を起こさなければなりません。
社員数が増えてくると、社長は社員1人ひとりを直接管理するための時間を確保できなくなってきます。社長が10人いたら
中間管理職は不要でしょうが、実際そんなことはあり得ませんので、社長との間に立って社員をマネジメントしてくれる人が必要になってきます。それがマネージャーです。
各マネージャーに社長の代理執行者という意識がなかったとしたら、人はそれぞれ個性や境遇が異なるため、どうしても自分の癖が出てしまいます。そうならないように、マネージャーは自分の上司に対して、「私に求められていることは何ですか」と定期的に確認することが必要です。自分の認識を社長が求めるものとぴったり合わせにいくことがマネージャーには求められるのです。
チームの目標達成に欠かせない、仕事を振り分ける力
マネージャーはチームに設定された目標を達成させる責任を負っています。どのようにメンバーに仕事を振り分け、やり遂げるかがマネージャーの腕の見せどころです。
仮に「四半期内に3,000万円売り上げる」という目標が自分たちのチームに課されたとします。原則として、マネージャーは自分の配下にいるメンバーの数で目標金額を割り、その後に給与によって調整しましょう。
月給25万円の人は目標が250万円で良いけれども、月給が50万円や75万円の社員はそれぞれ500万円、7500万円を売るという具合です。仕事への対価はもちろん給与であるため、給与以外に目標の割合を勘案する要素は基本的にはないと考えてよいでしょう。
ただ、既存顧客から売上を膨らませやすい業種だと、新規顧客を開拓するしかない社員と既存顧客を大勢抱えた社員との間で目標値の調整は必要です。事実情報をベースに、根拠付けをして公平になる環境を模索していかねばなりません。
【次ページ】つまずく部下には具体的に何をすべき? 部下を目標達成に導く力
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