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「部下が成長しない」と嘆く上司の皆さん、その原因はもしかしたら部下を管理するあなたの側にあるかもしれません。耳が痛い話かもしれませんが、この問題と向き合うことは、部下やチームが成長するだけでなく、あなた自身の業務負荷を軽減してくれるでしょう。全国3000社の組織コンサルティングを手掛ける識学で上席講師を務める山下智史氏が、部下が育たない上司の共通点と、あるべきマネジメントの姿について解説します。
「部下が育たない上司」に共通する2つの特徴
結論からいうと、部下が育たない上司の共通点は、大きく2つあります。「部下を成長させる責任が自分にあると認識できていないこと」と「感情を使ったマネジメントをしてしまうこと」です。
まず、前者のような上司は部下に仕事を任せることができません。課長や係長を無視して末端の部下にまで指示を出さねば気が済まない部長や、一度任せた仕事を強引に引き取ってしまう上司がこれに該当します。
このような上司は、「いざとなったら自分が何とかすれば良い」と考えているため、部下を成長させるための仕組みを用意していません。「前のプロジェクトに携わったメンバーは何も指示をしなくても結果を残していたから日報も週報も提出させなかったけれど、今回のメンバーは若手が中心だからそうはいかないな」などと、部下の能力によってマネジメントの方針を変えてしまいがちです。
どんな部下であっても同じルールでマネジメントしようとせず、場当たり的な指導に終始してしまうのです。たまたま優秀な人材が集まったときは良いですが、そうでなければ大した成果を出すことができません。
上司の“本業”を忘れていないか? 仕事はこう任せる
上司にとっては、自分の成績よりも「チームが目標を達成できるかどうか」が重要です。それゆえ、プレーヤーとしての時間を確保するより、マネジメントに集中することが求められます。
まずは、ルールの設定とそれを部下に守らせることから始めてみましょう。そして、部下には期限と状態を明確にした目標を設定してください。
部下に一度仕事を任せたのであれば、上司は結果が出るまで口出しをしてはいけません。とはいえ、チームが掲げていた数値目標に到達できなさそうだと判断したならば、それを避けるために自らがプレーヤーとして動く必要があります。
この判断は非常に難しく、唯一の正解があるわけではありませんが、原則は上司がマネジメントに徹することです。
部下に仕事を任せるときは、その仕事が個人の能力ではなく役職や等級に応じて設定されたものでなければなりません。その上で、上司が個人の能力差によって業務量の調整をします。
その際、私たちが重要だとお伝えしているのは、評価基準を統一することです。能力の差によって仕事量が変わるのに給料が同じでは不公平ですから、100の仕事をした人より110の仕事をした人をより評価するべきです。
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