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  • 2019/06/03 掲載

【上司・部下別】なぜあの人は「成果を横取り」するのか?苦手な人を「味方に変える」方法

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組織の中で働くビジネスパーソンの多くを悩ませるのが、職場の人間関係だ。周囲の生産性やモチベーションを下げ、ひいては組織全体の業績にも損害を与えかねない「職場の苦手な人」に対処するためには、どうすればいいのか。『職場の「苦手な人」を最強の味方に変える方法』(PHP研究所)の著者・片桐あい氏によれば、苦手な人の性格タイプは「エニアグラム」という性格類型の理論を活用して9つに分けられ、それによって対処法も異なるのだという。今回はその中でも「自慢・手柄横取りタイプ」への対処法を片桐氏に特別寄稿いただいた。
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職場には必ず「苦手な人」がいるはずだ
(Photo/Getty Images)

「苦手な人」をタイプで分ければ楽になる

 今、職場で「苦手だ」と思う人はいるだろうか。その人のことを思うだけでイヤな気分になる人もいるだろう。しかし、人材不足に悩まされている企業にとって、チーム内の相性まで気にしてチームを組めるほど余裕はない。自ら職場の人間関係を改善し、仕事をしやすい環境をつくっていくしかないのだ。

 そこで提案したいのが、エニアグラムという性格類型を用いたタイプ分けの手法だ。日本でも多くの企業が導入を始めている学術的にも裏付けのあるものである。

 ここでエニアグラムの9つのタイプをネガティブな面を中心に伝えよう。

タイプ1:自己流完璧主義タイプ
タイプ2:おせっかい・干渉タイプ
タイプ3:自慢・手柄横取りタイプ
タイプ4:個性的すぎる・嫉妬タイプ
タイプ5:分析・評論タイプ
タイプ6:石橋を叩いて渡らない・風見鶏タイプ
タイプ7:あきっぽい、言い訳タイプ
タイプ8:勝ち負けにこだわる・力ずくタイプ
タイプ9:はっきりしない・ぐずぐずタイプ


である。各タイプにはもちろんポジティブな面もあれば、ネガティブな面もあり、過去の経験や現在の仕事の状況により、自分自身の気質の良い面や悪い面がでる。

 今回は「タイプ3:自慢・手柄横取りタイプ」が上司、部下だったらという2つの観点から伝えよう。

手柄は自分、ミスは部下に押しつける上司

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 いつも“見られている自分”を演出し、颯爽と歩く姿はかっこよく、仕事はスピーディにこなし自信に満ち溢れた様子のタイプ3上司。判断が早く、状況を把握する要領の良さ、感じがよく、誰とででもすぐに打ち解けるフランクさなども持ち合わせている。

 しかし、彼らは無意識に目立つことを好み、つい自分の存在をアピールしがちである。それ自体は悪いことではないが、部下の手柄まで横取りしてしまうのはいかがなものかと思うことも多いだろう。また、うまくいかないことは部下のせいにする場合も多々あり、いったん決めたことも簡単にひっくり返すようなこともあるため、部下からすると「たまったものではない」と思われがち。

 では、そんな彼らにはどう対処するのがよいのか?

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手柄を「横取り」する上司をうまく味方につけるには?
(Photo/Getty Image)

 まず1つ目はあなたのマインドセットである。タイプ3の気質として、目立つこと、自分の存在価値を相手に認めさせることが最も大切である。そこを変えることは他人にはできない。だから、そこにエネルギーを注ぎ、横取りされたものを取り返すよりも、成果を差し出し、あなたの価値を認めてもらったほうが結果的にはうまくいくのではないだろうか? 感情的な不満はあるにしろ、結局は、手柄を譲っても得られるもののほうが大きいのである。

 2つ目は、日々のコミュニケーションである。日頃より人から注目されることを好むタイプ3には、「認める・褒める」ことが大切。見た目から始まって、仕事の素早さ、柔軟な対応、上司・他部門へのプレゼン力など、良い面もたくさんあり、それをタイミングよく褒める。また、「周囲の人が○○さんのことを、仕事ができる人だって褒めていましたよ!」などと、陰褒め(第三者からの誉め言葉を、褒められた対象者に伝えるテクニック)をすることも有効である。

 3つ目は、上司の出番をつくること。前に出ることが好きなタイプ3なので、お膳立てをしてあげてスポットライトが当たる場所を準備する。たとえば、プレゼンや会議のファシリテーション、勝ち目のある交渉の場など。タイプ3の上司が主役になれるようなシーンが望ましい。

 後から「手柄を持っていかれた!」と思うよりも、意図して手柄を差し出すことで、むしろ上司から「頼りになる存在」だと思われるようになる。結果、上司からも好かれ、引き上げられ、本来、自分のやりたい仕事に近づくことができるだろう。

【次ページ】スタンドプレーが多く、報連相がない部下
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