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  • 2018/11/21 掲載

プリングルズが仕掛ける新たなデジマ戦略、なぜ「バーチャル・ライブ」なのか

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世界140カ国以上で販売されているアメリカ生まれのポテトチップス「プリングルズ」。1994年に日本で販売が始まって以降、人気を集めているプリングルズだが、これまではテレビCMを中心にマーケティングを展開してきた。今回、「ワクワクする心を刺激する」ポテトチップスブランドとして定着させるべく、『Pringles Virtual Live Campaign(プリングルズ・バーチャル・ライブ・キャンペーン)』を開始した。その背景や狙いを探る。
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プリングルズのシークレットライブに出演したm-flo。プリングルズの新たなデジタルマーケティングの狙いとは

発売開始から50年、楽しいことに感度の高い人をターゲットに

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 筒状のパッケージに大きなひげがトレードマークのおじさん(Mr.P)のキャラクター。この印象深いデザインのポテトチップスが1968年より米国で販売開始された「プリングルズ」である。そんなプリングルズが日本で販売が始まったのは1994年。現在、世界140カ国以上で販売されているプリングルズ。日本でさまざまなポテトチップスが売られているが、20年以上経った今も根強い人気を誇っている。

 この根強い人気を保つ背景にあるのが、「楽しいことに対する感度の高い人たちに面白いモノを提供するキャンペーンをつくっていきたい」というマーケティング担当者の思いだ。今年10月23日から開催されたキャンペーンもその一つ。米国での発売開始から今年で50周年を迎えたことを記念し、同じく発売30周年を迎えたエースコックの「スーパーカップ」とコラボレーションし、「エースコック 鶏ガラ醤油ラーメン味」と「エースコック いか焼そば味」を期間限定で販売し、話題を集めた。

 そして12月1日より、さらに話題を集めそうなキャンペーンが予定されている。それが『Pringles Virtual Live Campaign(プリングルズ・バーチャル・ライブ・キャンペーン)』だ。同キャンペーンは2019年2月28日までと期間限定で展開される。

なぜプリングルズが「音楽」なのか?

 バーチャル・ライブとあるように、インターネット環境さえあれば、自宅に居ながらにしてスマートフォンやPCでライブが体験できるというものだ。これまではテレビCMを中心にマーケティングを展開してきたプリングルズが、なぜこのようなキャンペーンを企画しようと考えたのか。プリングルズでマーケティングを担当する高倉 佳奈子氏は、次のように明かす。

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Pringles International Operations SARL Singapore Branch
APAC Regional Brand Manager 高倉 佳奈子氏(右)、日本ケロッグ プリングルズ事業本部 大久保 怜子氏(左)
「特に楽しいことに感度の高い若い人たちが何に興味を持っているのか調べたのです。すると音楽、イベントに出掛ける、その他にゲームや映画というエリアへの関心が高いことがわかりました。これらの中でプリングルズというブランドと最もフィットするエリアが音楽だったのです」(高倉氏)

 プリングルズのキャッチフレーズは「Pop Play Eat」。これはフタを開けるときのポンという音、食べるときのサクっという音を表している。つまりそういう音遊びとともにブランドは成長してきた。だからこそ、音楽というエリアで面白い新しいことできないかということから、キャンペーンの企画が行われたという。

 デジタルコンテンツという手法を活用するに至ったのも、同社のターゲットが「新しいモノへの感度が高い人たち」だからである。

「そういう志向を持った方は、デジタルコンテンツを期待しています。ではどんなデジタルコンテンツなら楽しんでもらえるのか。最新のVRを使えば、興味を惹きつけられるのではと思ったのです」(高倉氏)

自宅にいながらフェスを楽しめないか?

 今回のキャンペーンで体験できるバーチャル・ライブとは、2018年10月1日に東京・渋谷のライブ会場「WWW X」で開催された完全招待制のシークレットライブ「Beyond Pop Supported by Pringles」。招待者はメディアを含めて500人。「日ごろからライブやフェスに出掛けたり、音楽を楽しむのが好きなインフルエンサーを中心に招待しました」と語る。

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水曜日のカンパネラも登場

 当初、音楽エリアで音楽好きの若い人に刺さるものとして、大規模なフェス(音楽イベント)の開催という案が上がった。しかし「フェスへの興味は高いものの、参加する人が限定されてしまうのでは」という懸念があったという。なぜなら、今の20代はフェスに参加したいと思いつつも、家でゴロゴロしてしまうことが多いからだ。

 そこで「自宅にいながらフェスを楽しめないか」ということから、デジタルでフェスを開催しようということに決まった。

 では、コンテンツの中心となるフェスを「招待制(シークレットライブ)」にした狙いはどこにあるのか。

【次ページ】 m-floや水曜日のカンパネラ、chelmico、WONKなどが集結、同社の新しいデジタルマーケティングは成功するか?

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