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訪日外国人観光客の急増が続く中、宿泊税を導入する地方自治体が増えている。東京都が2002年に導入したあと、追随する動きはしばらくなかったが、大阪府が2017年に開始したのをはじめ、京都市が2018年10月をめどに導入することを決めた。北海道や沖縄県、石川県金沢市など導入を検討する自治体も多い。観光客受け入れ整備の財源を確保するのが狙いで、京都産業大経済学部の八塩裕之教授(財政学)は「観光客急増への対処という点で容認されるだろう」とみている。しかし、税収の使途や公平な徴収方法など課題も山積している。
東京都、大阪府に続き、京都市が強気の宿泊税導入を決定
「観光が京都の雇用創出や経済活性化に寄与しているのは事実だが、魅力の維持には多くの税金が投入されてきた。観光客にも一部を負担していただき、宿泊税を京都の魅力向上に役立てたい」。京都市の宿泊税条例が市議会で可決された11月、門川大作市長は記者会見で笑顔を見せた。
市の宿泊税条例は修学旅行の参加者を除き、民泊施設も含めたすべての宿泊客が対象。先行する自治体では東京都がホテルや旅館の宿泊客に限定し、大阪府は民泊利用客にも課税するものの、料金1万円未満を対象外としているため、すべての宿泊客を対象とするのはこれが初めてになる。
課税額は宿泊料金が1人1泊2万円未満で200円、2万円以上5万円未満で500円、5万円以上で1,000円。上限の1,000円は東京都の200円、大阪府の300円を上回り、かなり強気の設定といえる。
税収は年間45億6,000万円を見込んでいる。徴収はホテルや旅館が代行する。民泊業者に対しては仲介事業者に代行を働きかける。使途は観光地の整備や外国人向け観光案内の充実、京都の景観を代表する京町家の保全などになる方向だ。
市を訪れた観光客は2016年で5,522万人に及び、うち661万人を外国人が占める。宿泊客は1,415万人で、外国人が318万人。春や秋の観光シーズンは東山、嵐山など主な観光地が混雑し、宿泊施設不足や路線バスの遅れが生じている。
市はこれまで、観光整備に多額の資金を投入してきたが、この10年で税収が約150億円も減った。市民の血税だけで急増する観光客に対応できないとして、宿泊税の導入に踏み切った。市税制課は「既に総務省と協議している。総務大臣の同意を得られれば2018年10月ごろを目標に導入したい」としている。
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