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働き方改革の実現を労働政策に掲げる安倍政権でスタートした「働き方改革実現会議」。その内容は長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入を盛り込んだ実行計画など、仕事の効率化を図り、残業を減らし生産性の向上を目的としている。しかし、「私はこの流れに疑問を感じます。それは効率化とはあくまでも手段であり、それ自体が目的ではないから。本来、真の働き方改革とは会社のためではなく、自分自身のためであって然るべきなのです」と語るのは『すごい効率化』(KADOKAWA)の著者で、Social River代表取締役の金川顕教(かながわ あきのり)さんだ。
仕事の結果は準備で決まる
長寿化が進み、7~80代まで働かなければならない時代。将来の自分のために何をするべきかを考え、そのために仕事の効率化を図ることこそが長い人生を有意義に過ごすために必要なことだ。
金川さんは、「効率的に仕事をしようと考えている多くの人は『やるか、やらないか』の思考ですが、私の場合は『やるか、すぐやるか』です。そのために特別な能力は要りません。ただ正しいやり方を知り、実践していくだけです」と語る。
金川さんは、学業や仕事の効率化のためにさまざまな工夫を凝らし、さまざまな成果を上げてきた。大学在学中、合格率が10.3%と狭き門である公認会計士に合格。その後は監査法人のトーマツ勤務する傍らで起業準備を進め、現在は従業員なしで年間数億単位の売り上げを創出するSocial Riverの取締役を務めている。
ビジネスのフレームワークとして「PDCAサイクル」という言葉が叫ばれて久しいが、金川さんが推奨するのは、その順番を入れ替えた「CAPDメソッド」だ。金川さんはその理由を次のように語る。
「公認会計士試験対策では、『P(計画)→D(行動)→C(評価)→A(改善)』では遠回りになってしまうことを痛感しました。試験を受けてみて不合格となれば、なぜ不合格なのかを評価し、改善するといったやり方では何年もかかってしまうのです。
私は2年間で合格する目標があったため、そんな悠長なことはできません。そこで試験に受かった人はどうしたのか、落ちた人はどうしていたのかを分析し、評価の視点から改善点を理解したうえで計画を立て、実行(勉強)する方法で確実に結果に結びつけました」
金川さんは、この考え方でサラリーマン時代も起業後も評価することから着手し、行動に移す習慣を徹底して行ってきたという。
効率化はたった14日間で身につく
そんな金川さんは、「効率化の方法は、たった14日間で身につけることができる」と話す。以降、金川さんが実践する「14日間」の取り組みを見ていこう。
まず金川さんが「すごい効率化の1日目」として位置づける取り組みは、「自宅以外に作業場所を作ること」だ。
学生時代、朝は通学前にベローチェに、夜は24時間営業のマックにマイ席(自分の座席)を作り、日夜公認会計士試験の勉強に勤しんできた。就職した後は月数万円の事務所スペースを借り、起業の準備をしてきた。いずれも、自宅以外の作業場所は欠かせなかったという。
「ポイントは常にここで作業をするという『自分専用の席を作ること』。そして。『注文メニューを同じにすること』です。ルーチン化により、集中力が増すからにほかなりません。マイ席でオススメなのが、情報取集のための読書です。出勤前の朝活を30分、退社後の夜活を30分実行するだけで、ずいぶんと差が出てきます」(金川さん)
「2日目」にはパソコン環境を整えること、そして「3日目」にはパソコンの操作や入力の自動化に取り組む。
「パソコンは1年ごとに買い替えるのを推奨します。何年も古いパソコンを使っていると、動作が遅くなり非効率です。新しいパソコンとキーボードを見ずに打ち込むブラインドタッチ、ショートカットキーの活用で入力の時間を短縮も欠かせません。単語登録は、最低でも100個はしておきたいですね」(金川さん)
仕事ができる環境やビジネスマンの武器とも言えるパソコン操作を効率化すること、つまり下準備をすることが効率化の第一歩につながるというわけだ。
【次ページ】常識を覆す「すごい効率化」の仕組み
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