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- 2017/06/23 掲載
なぜ仕事はPDCAよりも「CAPD」で進めた方がいいのか
中森勇人(なかもりゆうと)
経済ジャーナリスト・作家/ 三重県知事関東地区サポーター。1964年神戸生まれ。大手金属メーカーに勤務の傍らジャーナリストとして出版執筆を行う。独立後は関西商法の研究を重ね、新聞雑誌、TVなどで独自の意見を発信する。
著書に『SEとして生き抜くワザ』(日本能率協会)、『関西商魂』(SBクリエイティブ)、『選客商売』(TWJ)、心が折れそうなビジネスマンが読む本 (ソフトバンク新書)などがある。
TKC「戦略経営者」、日刊ゲンダイ(ビジネス面)、東京スポーツ(サラリーマン特集)などレギュラー連載多数。儲かるビジネスをテーマに全国で講演活動を展開中。近著は「アイデアは∞関西商法に学ぶ商売繁盛のヒント(TKC出版)。
公式サイト http://www002.upp.so-net.ne.jp/u_nakamori/
仕事の結果は準備で決まる
金川さんは、「効率的に仕事をしようと考えている多くの人は『やるか、やらないか』の思考ですが、私の場合は『やるか、すぐやるか』です。そのために特別な能力は要りません。ただ正しいやり方を知り、実践していくだけです」と語る。
金川さんは、学業や仕事の効率化のためにさまざまな工夫を凝らし、さまざまな成果を上げてきた。大学在学中、合格率が10.3%と狭き門である公認会計士に合格。その後は監査法人のトーマツ勤務する傍らで起業準備を進め、現在は従業員なしで年間数億単位の売り上げを創出するSocial Riverの取締役を務めている。
ビジネスのフレームワークとして「PDCAサイクル」という言葉が叫ばれて久しいが、金川さんが推奨するのは、その順番を入れ替えた「CAPDメソッド」だ。金川さんはその理由を次のように語る。
「公認会計士試験対策では、『P(計画)→D(行動)→C(評価)→A(改善)』では遠回りになってしまうことを痛感しました。試験を受けてみて不合格となれば、なぜ不合格なのかを評価し、改善するといったやり方では何年もかかってしまうのです。
私は2年間で合格する目標があったため、そんな悠長なことはできません。そこで試験に受かった人はどうしたのか、落ちた人はどうしていたのかを分析し、評価の視点から改善点を理解したうえで計画を立て、実行(勉強)する方法で確実に結果に結びつけました」
金川さんは、この考え方でサラリーマン時代も起業後も評価することから着手し、行動に移す習慣を徹底して行ってきたという。
効率化はたった14日間で身につく
まず金川さんが「すごい効率化の1日目」として位置づける取り組みは、「自宅以外に作業場所を作ること」だ。
学生時代、朝は通学前にベローチェに、夜は24時間営業のマックにマイ席(自分の座席)を作り、日夜公認会計士試験の勉強に勤しんできた。就職した後は月数万円の事務所スペースを借り、起業の準備をしてきた。いずれも、自宅以外の作業場所は欠かせなかったという。
「ポイントは常にここで作業をするという『自分専用の席を作ること』。そして。『注文メニューを同じにすること』です。ルーチン化により、集中力が増すからにほかなりません。マイ席でオススメなのが、情報取集のための読書です。出勤前の朝活を30分、退社後の夜活を30分実行するだけで、ずいぶんと差が出てきます」(金川さん)
「2日目」にはパソコン環境を整えること、そして「3日目」にはパソコンの操作や入力の自動化に取り組む。
「パソコンは1年ごとに買い替えるのを推奨します。何年も古いパソコンを使っていると、動作が遅くなり非効率です。新しいパソコンとキーボードを見ずに打ち込むブラインドタッチ、ショートカットキーの活用で入力の時間を短縮も欠かせません。単語登録は、最低でも100個はしておきたいですね」(金川さん)
仕事ができる環境やビジネスマンの武器とも言えるパソコン操作を効率化すること、つまり下準備をすることが効率化の第一歩につながるというわけだ。
【次ページ】常識を覆す「すごい効率化」の仕組み
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