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  • 2017/01/26 掲載

個人輸入ビジネスは本当に稼げるか? 貿易アドバイザーに聞いてみた

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日本政府は働き方改革を推し進めており、正社員の副業、兼業を認める動きを見せる企業も徐々に増え始めた。海外に目を向けると、米国ではドナルド・トランプ氏の大統領就任というトピックが米株式市場に影響を与えており、25日のダウ工業株30種平均は一時的に史上初めて2万ドルを記録した。こうした中で注目を集めているのが、個人がバイヤーとなり、海外の商品を日本に輸入、販売する「個人輸入ビジネス」だ。個人輸入ビジネスを成功させるポイントについて、AIBA認定貿易アドバイザーの大須賀祐 氏に聞いた。
執筆:中森 勇人
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個人輸入ビジネスのバイヤーは儲かるのか
(© Traumbild – Fotolia)


実はおかしい「定価制度」、個人輸入なら価格決定権を持てる

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AIBA認定貿易アドバイザー
大須賀祐 氏
 高度経済成長期からバブル期までの、いわばモノを作れば売れる時代には、多くのメーカーや小売店は薄利多売のビジネスモデルを積極的に取り入れて利益をあげてきた。しかし、バブルがはじけてGDPの伸びが鈍化する時代に突入すると、こうしたビジネスモデルは成り立たなくなっていった。

 「日本には約450万社の企業がありますが、そのうち70.3%は赤字と言われています。理由はさまざまですが、要因のひとつとして、『メーカー主導の定価制度の存在』が挙げられます」と語るのが、AIBA認定貿易アドバイザーで、『個人ではじめる輸入ビジネス(KADOKAWA)』の著者である大須賀祐 氏だ。

「定価制度によって商品の上限が決まっているために、固定費に必要な利益率を稼ぐのがやっと。世界中を見渡しても、日本のような国はありません」(大須賀氏)

 同氏は、「一方で、個人輸入ビジネスはこうした定価制度は関係ありません」と語る。個人輸入ビジネスとは「利益の薄い『フランチャイジー』から価格決定権を持つ『フランチャイザー』へ転換することだ」という。

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「輸入ビジネスの最大の強みは、自分で輸入した商品の価格を自分で決められるということ。価格決定権を持つことで、自分のビジネスの仕組みを自分で構築できるわけです。つまり、定価制度に縛られないで、自由にビジネスができるのです」(大須賀氏)

 大須賀氏は、個人輸入ビジネスによって海外のメーカーの力を借りることでビジネスの仕組みがつくれると主張する。さらに、国内ではメーカーの立場になることから、明らかに自分より格上の存在である上場企業を相手に対等に商売ができるというのだ。

個人輸入ビジネスを成功させる「値付け」のコツ

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『ホントにカンタン! 誰でもできる! 個人ではじめる輸入ビジネス 改訂版(KADOKAWA)』
 実際、個人輸入ビジネスでは「10円で仕入れた物が1,980円で売れる」というような状況も珍しくないのだという。大須賀氏曰く、ポイントとなるのは「したたかな値付け」だ。

 同氏は「最低でも、現地で提示された原価の5倍の定価を設定します。これで高いと感じるならメーカーに値引きを申し入れます。ちなみに海外では値引きは当たり前。相手もネゴシエーション(ネゴ)をされることを想定して値付けをしていますから、問題ありません。原価の安いアジアなら10倍以上が通常です」という。

 では、相手がネゴに応じなければどうすれば良いのか。大須賀氏は「その時は諦めればいい。というのもこの値付けの舞台は海外の見本市なので、売り手はいくらでもあるから」と理由を説明する。

「海外の見本市は、世界各国で頻繁に行われています。たとえばドイツフランクフルトで開催される世界最大規模の「Ambiente(アンビエンテ)」では4811社もの出展があり、参加者は13万5000人(2015年実績)にも上ります」(大須賀氏)

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