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- 2016/10/04 掲載
インドフィンテック事情まとめ~市場、政策、注目企業をまるっと解説~
インドIT最新事情
(訳:エクシール・エフ・エー・コンサルティング 大塚賢二)
世界のフィンテック市場
堅調に成長するインドのフィンテック
インドは、フィンテックのスタートアップ企業にとって、「ユニコーン企業」化するための舞台となりうる、ダイナミックなエコシステムの場だ。新たな分野に取り組む者もいれば海外に打って出る者もいる。インドのフィンテック・ソフトウェア市場は、現在の12億米ドルから2020年までに24億米ドルに達すると、インドソフトウェア・サービス協会は予想する。
もともと現金に依存していたインド経済は、Eコマースやスマホがどんどん広がる影響で、フィンテックを好機として捉えた。取引額ベースでは、インドのフィンテック分野は今年1年でだいたい330億米ドルと見込まれるが、2020年までには年22%の成長で730億米ドルに達するという予想もある。
若い企業家たちは、このチャンスに真正面から向き合い、有望なスタートアップ企業を生み出し、すでに成功した企業も出てきた。さまざまなスタートアップ企業が、伝統的な銀行とノンバンクの両方で存在感を示している。フィンテックをめぐっては、老舗金融機関、スタートアップ企業、ベンチャーキャピタルも注目している。
インド政府の支援策まとめ
金融業の規制が厳しいインドでは、政府がフィンテックの成否を握っている。インド政府は、インド証券取引委員会やインド準備銀行と協力して、資金援助やその他の施策を通し、キャッシュレス経済の実現や強靭なフィンテック・エコシステムの現出という、スタートアップ企業や経済全般にみなぎる意欲を強力に後押ししている。政府の具体的な支援は下記の通り。資金援助
・今年1月に政府が打ち出した「スタートアップ・インディア」政策では、スタートアップ企業に総額15億米ドルの資金を供給。
金融包摂、アクセスの向上
・ジャン・ダン・ヨジャナ(Jan Dhan Yojana:「お金と人の仕組み」を意味するヒンディー語)政策により、これまで銀行に縁のなかった2億人が新たに銀行を利用できるようになった。
・インド政府発行の個人ID(Aadhaar)が年金、従業員積立基金、ジャン・ダン・ヨジャナ政策で利用できるようになった。
税の免除など
・取引の過半をデジタル化した事業者に減税を実施。
・スタートアップ企業の特許取得費用の8割を補助。
・スタートアップ企業の当初3年間の所得税を免除。
・24カ月(以前は36カ月だった)超、非上場企業に投資した場合、キャピタル・ゲイン税に一定の控除を認める。
・インド財務省の方針で、政府サービスの利用に伴うオンラインやカードでの支払いに係る加算税(サーチャージ)を免除。
インフラ支援
・デジタル・インディアやスマートシティ(都市のIT化の推進)の取り組みが、国内のデジタルインフラ開発を促進させ外資を呼び込むために立ち上げられた。
・政府は、スタートアップ企業が登記しやすいように専用のポータルを開設。
知財にかかる支援
・スタートアップ企業は特許取得、商標やその他のデザインの取り扱いに関する専門家に要する費用につき、政府からの支援を受けられるようになる。
【次ページ】フィンテックで実現する7つのサービスとインド有望企業
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