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- 2019/08/30 掲載
保険「未加入」率96.3%のインド、これからインシュアテックは爆増するのか
ガガン・パラシャー
IILM卒。財務分析、投資コンサルティング、ビジネス調査の経験を経てBig4系列で法人事業コンサルティングに従事。その後X-Ciel Consulting Pvt. Ltd.を立ち上げ、エクシール・エフ・エー・コンサルティングに参画。インド北部ノイダで活躍中の気鋭のコンサルタント。大塚賢二
東京大学法学部卒。金融機関、Big4系列コンサルティングファーム勤務等を経て現在、株式会社ファルチザンの代表を務める。中小企業の海外進出、金融機関の経営管理・内部統制の支援に注力。エクシール・エフ・エー・コンサルティングではガガン・パラシャーとともに中小、ベンチャー企業のアジア進出を支援。インド保険市場は2,800億ドルに成長する
世界的にインシュアテック投資は盛んだ。2019年第1四半期には、85件で総額14億2000万ドルがインシュアテックに投資されている。これで3四半期連続して10億ドル超を記録したことになる。しかし、大手の保険会社は、依然として紙ベースの書類に依存しており、顧客ニーズより従業員を優先する旧来型のソフトウェアを使って業務を行っている。だからこそ、意思決定が早くハイテクに長けたインシュアテックのスタートアップ企業にビジネス機会を浸食されるだろうと恐れを抱いている保険業者のトップは、世界的に見ても多い。
インシュアテック企業と既存保険企業はここが違う
インドを代表する保険会社といえば、これまではオリエンタル、ニュー・インディア・アシュアランス、ライフ・インシュランス・コーポレーション・オブ・インディア、イフコトキオ(東京海上ホールディングスの損保現地法人)、ICICIプルデンシャルといった企業だった。インドのインシュアテックは未だ発展途上だが、すでにバリューチェーン破壊によってデジタル・ディストリビューションやカスタマー・エクスペリエンスの改善を実現している。
たとえば、ハイテクを活用したスタートアップの中には、オンデマンド型の小規模保険、モバイル端末での小型保険プラットフォーム、遠隔で保険金請求管理を行えるサービスを提供する企業もある。また、カスタマーサービス向上のチャットボットや農業保険の保険金請求確認のドローンを導入する業者もいる。
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