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- 2016/06/08 掲載
オムロンがトップを狙うインドヘルスケア産業、5年連続2ケタ成長見込みの秘密とは
インドIT最新事情
(訳:エクシール・エフ・エー・コンサルティング 大塚賢二)
拡大するインドのヘルスケア市場、情報管理とモビリティへの需要は高まるばかり
ヘルスケアIT市場は、ヘルスケア関連の組織・団体が提供する、業務の統合や効率化のためのサービス、商品、ソフトウェア、各種ソリューションにまで及ぶ。ヘルスケア分野では、IT技術のおかげで、業務プロセス環境やエコシステムのセキュリティが強固になり、情報の同期性が保たれている。また、業者の提供するサービスの生産性、品質、効率も向上する。そればかりか、エラーの発生も減らすことができるのだ。ヘルスケア関連の団体・機関の数とともに技術革新ニーズも増え続けているため、ヘルスケアITはますます成長している。
インドのヘルスケア産業にとってハイテクを活用するのは、首尾よく自己変革を遂げるために必須なのである。データ量の拡張に伴って、健康・医療に関する情報・記録のデジタル化、データの交換/共有機能・事務フロー・仕事場所を選ばないモビリティの改善が進められている。また、ヘルスケア企業の財務管理も、その貢献範囲に含まれる。
治療の対象となる患者の増加や症状の多様化、コストコントロールの必要性、患者の安全の重視といった諸要因が一体となって、インドにおけるヘルスケアIT需要を刺激しているのだ。
国策「デジタル・インディア」が進めるヘルスケアの電子化
インド政府もヘルスケア産業のデジタル化を推し進めている。その一例が国策「デジタル・インディア」を背景にしたE-health(ヘルスケアの電子化)への取り組みだ。インド政府はこの取り組みで、全国民への効果的、経済的なヘルスケアサービスの提供を目指している。E-healthの例としては、電子個人情報の活用があげられる。インドの人々は、アドハー(Aadhaar、ヒンディー語で「基礎」の意味)と呼ばれる国民IDを持っている。この電子個人情報とヘルスケアITや情報ポータルを活用すると、健康記録を管理したり、複数の病院の様々な診療科にオンライン予約ができるのだ。
【次ページ】電子化が広がるヘルスケア産業、発展を後押ししたのは?
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