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- 2016/05/17 掲載
なぜ3C分析が使えないのか? 代表的フレームワークを経営企画のケースで解説する
3C分析は「当たり前のこと」しか語らない
フレームワークとは、一定の物事について考える時に、必ずそのフォーマットに従って考えると良いですよ、という「考え方の枠組み」で、いわば先人の知恵の結晶である。あらゆる事象について、毎回ゼロベースで考え、分析し、対処法を練るというのはあまりに非効率な話だ。「フレームワーク化」とは、一度経験したことを、未来に活かすために「知識」として昇華させる、ということである。これによって、後世の人々は余計な回り道をしなくても済む。いつでもどこでも通用する、普遍の真理、不変の法則、これさえ押さえておけば、大丈夫、という武器として、「考えるためのツール」を編み出してきたのだ。
しかし、フレームワークとはつくづく罪な存在でもある。なぜならば、「いつでもどこでも通用する、普遍の真理、不変の法則」を目指した結果、「そんなの当たり前」なことしか語れないからだ。
フレームワークの代表選手、「3C分析」について考えてみる。きっと誰しもが耳にしたことがあるだろう。これは、Customer(市場・顧客) Competitor(競合) Company(自社)の頭文字をとったもので、自社の経営戦略を考える時は、この3つを念頭に置くと良いですよ、という話だ。
自分達が、商品やサービスを生み出し、販売する。そこに顧客がいて、同時に競合先が存在する。確かに言われてみると、その通りである。
経営企画でありがちな3C分析の失敗
ブルーオーシャンは素敵な言葉だが、「競合先がいない」ということは、「顧客も存在しない」ということとセットだったりして、多少有望そうなアイデアがあった場合に、実際にフィージビリティ・スタディを実行してみると、そこには何もなかった、というオチが待っていたりする。
もう少し冷静で保守的な企画会議の場では、ブルーオーシャンのような夢みたいな話は追いかけず、現実味のある「有望そうなアイデア」を吟味することになる。すなわち、「顧客が見込めるマーケット」を前提として考えるわけだが、そうすると大抵の場合は「競合先も存在する」わけであって、フィージビリティ・スタディを実行するまでもなく、その「レッドオーシャン」っぷりに嫌気がさしたりする。
どちらにしても、この「多少有望そう」という印象が結構厄介なもので、まかり間違って少しばかりの投資をしてしまったがゆえに「見込なし」とあっさり諦められなくて、ああでもないこうでもないとそのアイデアをこねくり回して、結局どこにもいきつかなくて、傷を深めるばかりという展開が待っていたりする。
こうしたことを繰り返すうちに、人はフレームワークに対する不信感を抱くようになる。一体この「3C分析」は、この企画会議を少しでも前に進めてくれているのだろうか?当たり前の話をただ当たり前に語っているだけで、何の意味もないじゃないか、と。
【次ページ】失敗しない3C分析のポイントとは
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