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- 2015/12/25 掲載
オリンパス「大復活」の理由、東芝や大王製紙と何が違うのか
オリンパスが苦難の「壁」を乗り越えた日?
その間、オリンパスの業績も悪化した。通期の連結売上高は事件発覚前の2010年3月期の8,831億円から2014年3月期の7,133億円まで19.2%減少し、ほぼ2割減。営業利益は2010年3月期の612億円から2013年3月期の351億円まで42.6%減で、4割以上も減った。2012年8月には、子会社のITXが手がけ医療事業に次ぐ2番目の収益源だった携帯電話販売などの情報通信事業を、約530億円で投資ファンドの日本産業パートナーズに売却した。そして2012年10月にソニーと資本業務提携を結び、500億円の出資などの支援を受け、再起を図ることとなった。
ソニーが筆頭株主になり、事実上のスポンサーとなってから3年が経過し、オリンパスの業績はV字回復している。2015年3月期の業績は直近、最も悪かった年度に比べて売上高は7.2%増、営業利益は2.59倍になった。
オリンパスは11月6日、第2四半期決算を発表すると同時に、通期業績見通しの売上高を8,100億円から8,160億円に上方修正した。60億円、0.7%の上積みにすぎないが、第2四半期の決算数字が事前予想より良かったこともあり、翌営業日(11月9日)にオリンパスの株価は16.9%高のストップ高で高値引けと人気が沸騰。この日の終値に近い水準をその後もほぼ維持しており、投資家の人気は衰えていない。
2016年3月期の業績見通しの売上高は上方修正しても、スキャンダル発覚前には及んでいないが、営業利益は2010年3月期の612億円よりも6割以上も多い1,000億円に達した。売上高営業利益率は12.2%で「稼ぐ力」は2010年3月期の6.9%の1.76倍に。2015年3月期は87億円の赤字だった最終損益見通しは560億円の黒字に転換する見込み。そんなこともあいまって「オリンパス大復活」などと、もてはやされている。
オリンパスも11月9日をもって、スキャンダルという苦難を乗り越えて、新しい時代に入ったとみていいのだろうか?
【次ページ】オリンパスの利益のほとんどは医療事業があげている
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