• 会員限定
  • 2015/11/04 掲載

ナイキやヤフーも取り組む「オールウェイズ・オン・マーケティング(AOM)」とは何か

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
「現在の顧客は常に“オン”になっている。だからマーケティングも常にオンに変えていかなければならない」。そう指摘するのは、ノースウェスタン大学 ケロッグ経営大学院のモーハン・ソーニー教授だ。今後、企業に求められる「オールウェイズ・オン・マーケティング(Always-On Marketing:AOM)」とはいったいどのようなものか。ヤフーやアスクルの社長も取り組みを語った。

これからは“オールウェイズ・オン・マーケティング”の時代

photo
ノースウェスタン大学 ケロッグ経営大学院 教授 モーハン・ソーニー氏
関連記事
 「ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン2015」で登壇したノースウェスタン大学 ケロッグ経営大学院のソーニー教授は、戦略マーケティングやイノベーションなどの研究分野に取り組むだけでなく、現場のコンサルタントとしても活動している。

 ソーニー教授によると、米国の調査では1人が1日にモバイル端末の画面を見た回数は163回におよぶという。実に9分に1回。日本ではこれがさらに多い可能性が高い。「デジタルの世界では顧客は常に“オン”の状態になっている。だからマーケティングも(一時的な)キャンペーン型から(常時オンの)会話型へと変えなければならない」と指摘する。

 また、商品の情報や機能は顧客の手元に溢れている。「今考えるべきなのは、顧客の心、あるいは感情と繋がることだ」(ソーニー教授)。

 そのためにはソーシャルメディアなどから人々が何を話しているのかを知り、それに基づいて「ブランドストーリー」を作り、さまざまなチャネルを複合的に使って、そのストーリーを伝えていくことが必要だ。

「エンゲージメントを深めていくことで、顧客からの支持を得ることが可能となる。今後はカスタマージャーニーの後押しをしなければならない。顧客の求めるコンテンツを発信し、会話を続け、商品やサービスはその中に埋め込んでいく。継続した取り組みが求められる」(ソーニー教授)

 そのためにはビッグデータを活用し、コンテンツベースのマーケティングを実現する必要がある。

常に“オン”であるためには、コンテンツに十分な“ストーリー性”がなければならない。またオムニチャネルでコミュニケーション体験をリアルタイムに提供していかなければならない。このような考え方が“オールウェイズ・オン・マーケティング(AOM)”だ。これが今後、向かうべき目標となる」(ソーニー教授)

 ソーニー教授は、オールウェイズ・オン・マーケティングを実現した企業として、米ナイキを採り上げた。ナイキはマーケティングのやり方を完全に変えたという。

「以前は商品中心の従来型マーケティングを行っていたが、ここ2年間は従来の広告に対する投資を4割も削減し、広告そのものの位置付けも顧客がより優れたアスリートになるための“サービス”を訴求することとなった」(ソーニー教授)

 現在ナイキでは、シューズの中に取り付けたセンサーやスマホアプリなどを活用して、顧客が“アスリートになるための道”を支援しているという。そして自分自身へのチャレンジ、自分のパフォーマンスの改善、あるいは友人と繋がること、コミュニティに参加することといったさまざまな“体験”を顧客に提供している。

以前のナイキでは、商品が消費者体験の最終点となっていた。しかし今のナイキにとって商品は、消費者体験を提供するための“出発点”に過ぎない。商品が顧客にコミュニケーションと体験を届けるためのツールになっているということだ。」(ソーニー教授)

【次ページ】ログの“知覚能力”こそが現代のマーケター全員に求められる能力だ
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます