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- 2015/07/31 掲載
無能社員にはできない、一流人材だけが実践する3つの習慣
まじめでがんばりやな人ほど損をしやすい社会
たしかに社員を長時間拘束するようなロングワークは問題です。本人のやる気も健康も阻害してしまいます。
ただ、ハードワークをすること自体は本当に問題なのでしょうか。
多くのビジネスや組織は、ハードワーカーたちのハードワークが基盤となって支えられていると思います。まじめでがんばりやな人たちが、最大の貢献者だと言えると思います。
だから、私はハードワーカーを悪者扱いにする風潮、そして「ゆるい働き方」をクールとする、ものの見方に違和感を覚えます。おかしな流れではないかと感じています。
ハードに働くこと。つまり、明確な目的を持って、挑戦度の高い仕事を自分の強みと能力を目一杯使って仕事をすることは、本人にやりがいを感じさせ、仕事の充実感をもたらします。ハードに集中して働いたあとには、しっかりと息抜きや気晴らしをする。そのメリハリのある働き方・生き方が、私たちの目指すところではないかと思います。
本当の問題は、ハードに働くまじめでがんばりやな人が損をしやすい社会になっていることです。まじめでがんばりやな人ほど、職場でのストレスや自分の仕事の責任に対してのプレッシャーを感じやすい。そして、上司や同僚、または部下との人間関係の問題に翻弄させられやすいことがあります。
とくにリーダーの立場にある人は、数多くの逆境に遭遇することになります。現在は、女性活用支援が叫ばれていますが、まじめでがんばりやな女性がリーダーとして登用されることは、本人にとっては名誉ですが、キャリアとしては修羅場になることがあります。なぜなら、プレイヤーとは違い、リーダーは自分で思い通りにいかないことが多くあるからです。
何かネガティブな出来事が起きるたびにパニックになり、感情が揺さぶられ、自分ですべて抱え込んでしまって、誰にも相談することができなければ、心が疲れてしまいます。
体の疲れは寝れば回復しますが、心の疲労は寝ても元に戻らないことがあります。その原因となっているネガティブな感情は、就寝中も頭の中で繰り返され、睡眠そのものを浅くさせ、目覚めを不快なものにしてしまうからです。
精神的な疲労状態が慢性化すると、仕事の集中力が下がり、生産性が落ちて、ミスが多くなります。自分の外見に気が回らなくなり、身だしなみを整えずに出社するようになります。目・肩・腰・背中など体の痛みに悩むことも出てくるでしょうが、精神的なストレスが原因となっているので、薬を飲んでもなかなか効きません。しまいには、仕事への意欲を持続することが難しくなり、バーンアウト(燃え尽き症候群)やうつ病になってしまうリスクもあります。
ハードに働く人には、折れない心「レジリエンス」が必須
本来は、仕事への熱意があり、真摯な態度を持っていたまじめでがんばりやな人が、まるでろうそくの火が細くなって消えかけてしまうかのように、表情からも元気が失せ、心が折れてしまうことになるのは、本人にとっても不幸ですし、組織にとっても大きな損失です。では、どうすればいいのでしょうか?
私は、ハードワークをしている人はとくに「レジリエンス」を身につけることが必要だと考えています。
レジリエンスとは、心理学の世界では「逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセスである」と定義されています。レジリエンスは、いまや研究の領域だけでなく、政治経済や人材育成・組織開発の分野でも大変注目を集めているコンセプトです。
ストレスや重圧に対処し、変化に適応できるグローバルリーダーのニーズが高まっており、世界最大のエネルギー会社ロイヤル・ダッチ・シェルや世界最強の投資銀行と言われるゴールドマン・サックスなどでは、レジリエンス研修が導入されています。
国内でも、NHKの人気番組である『クローズアップ現代』で、「折れない心の育て方~レジリエンスを知っていますか~」という特集が組まれ、幅広い層にレジリエンスが知られました。レジリエンス・トレーニングを研修として取り入れる企業や、授業に導入する学校も増えています。
【次ページ】 レジリエンスが注目される2つの理由
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