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- 2015/06/17 掲載
WebスケールITとは何か? グーグルやアマゾンのデータセンターはどこがスゴイのか
ガートナー 田崎 堅志氏が解説
リサーチ部門 ITインフラストラクチャ&セキュリティ リサーチ バイスプレジデント。1991年よりデータクエスト ジャパン (現ガートナー ジャパン) にてデータ・ネットワーキングやボイス・コミュニケーション、パブリック・ネットワーク、モバイル・コミュニケーション、通信事業者のデータセンター・ビジネスなど、テレコミュニケーション産業全般にわたる動向分析ならびにマーケティング・コンサルティングに従事。ガートナー ジャパン入社以前は、富士通にて通信処理マルチマイクロプロセッサ、ネットワーク・アーキテクチャ、高速パケット通信システムの研究開発、ネットワーク・システムおよびネットワーク・ソフトウェア製品の企画開発、プロジェクト・マネジメントを担当。高速光LAN、TDM、ネットワーク・サービス・プロセッサなど企業向け通信システム製品のハードウェアおよびソフトウェアを商品化。IEEE Communications SocietyおよびComputer Society会員。電子工学修士。上智大学卒。
圧倒的な効率性とスピード感、安定性を高いバランスで両立する「WebスケールIT」
一例を示すと、グーグルのデータセンターのエネルギー利用効率(PUE)は1.07という数値である。PUEとは、データセンターなどのIT関連施設のエネルギー効率を表す指標の一つで、理論上1を下回ることはない。企業のデータセンターは、平均で2、あるいはそれ以上といわれる。
また、アマゾンにおいては、新規ソフトウェア展開がシステム停止を誘引する割合は、0.001%といわれる。これは、10万回新しいアプリを展開して、そのうちシステム停止したのが1回という割合だ。大変なスピード感を持ってアプリを展開しつつ、非常に高い安定性を実現している。
そして、フェイスブックでは、1人の技術者が担当するサーバの台数は、実に2万4,000台にのぼる。一般的な企業のデータセンターでは、数人で100台単位を担当するケースが多いのではないだろうか。これを見ると、フェイスブックの運用効率が桁外れに高いことがわかる。
特定のビジネス領域では、このようなスピードや拡張性が当たり前になりつつある。もし、皆さんの競合企業がこんな能力を身につけたらどうなるかを想像してみてほしい。皆さんの企業の存続にも関わる問題だと理解できるはずだ。
【次ページ】グーグルやアマゾンはハードウェアベンダーから機器を購入していない
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