• 会員限定
  • 2024/12/13 掲載

生成AIはローコード開発の「敵か味方か」問題、活用「3つの利点」をガートナー解説

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
6
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
現在、次々と登場している生成AI関連のツール・サービスだが、それはシステム開発分野においても例外ではない。特に、ローコード・アプリケーション・プラットフォーム(LCAP)では、開発者/ユーザー・エクスペリエンスやプロセスの改善を目的に、生成AIが搭されるケースが多くなっている。生成AIの存在は、LCAPを強化する強力な「味方」となるのか、それとも、ローコードの役割自体をいずれ代替してしまう「敵」となるのか。ガートナーのカイル・デイヴィス氏が解説する。
photo
LCAPにおいて効果的に生成AIを活用するにはどうしたらよいのだろうか
(出典:ガートナー(2024年6月))

ローコード開発と生成AIに関する「ある変化」

1ページ目を1分でまとめた動画
 生産性の向上や人手不足への対応をはじめ、ビジネスに大きく貢献する可能性を秘める生成AI。システム開発の分野においても、コード生成AIの登場など、その存在感は日に日に増している。

 そうした生成AIの影響について、1年前までは「生成AIはLCAPに脅威をもたらすのか」「生成AIの登場でローコード開発基盤の市場はなくなるのではないか」「Javaや.NETなどのコード生成が容易になったことで、コストが高い開発基盤の需要はなくなるではないか」という問い合わせを多く受けていたと話すのは、ガ-トナーバイス・プレジデント アナリストを務めるカイル・デイヴィス氏だ。

photo
ガ-トナー
バイス・プレジデント アナリスト
カイル・デイヴィス氏

 デイヴィス氏によると、この傾向の一方で、今年に入ると問い合わせ内容が一転して「ローコード開発基盤と生成AIを一緒に利用する」ことに関するものに変化したという。

「2023年下半期、生成AIは脅威と見なされていました。今後も脅威として発展するかもしれませんが、現在は、どちらかというとメリットとして捉える方が多いと考えられています」(デイヴィス氏)

 デイヴィス氏よると、生成AIはコードを書き上げるのに長けており、たとえば、ChatGPTのような生成AIツールは、学習を重ねることでjavaやC#などのプログラム言語でコードを記述可能になっている。そのため多くのベンダーが、専有基盤であったローコード開発基盤に生成AIを組み入れるようになっているという現状があるという。

 では、ローコード開発基盤で生成AIを活用するためには、どのようなアプローチが効果的なのだろうか。

ローコード開発基盤における生成AI活用「2つの領域」

 デイヴィス氏は、LCAPにおける主要な生成AIの投資領域として、「AI支援型開発」と「AI拡張型ソリューション」の2つがあると説明する。それぞれ順番に見ていこう。

 まずAI支援型開発とは、LCAP内でAI技術を活用して開発プロセスをさらに効率化し、自動化する手法を指す。

画像
AI支援型開発は、LCAP内でAI技術を活用して開発プロセスを効率化・自動化する手法だ
(出典:ガートナー(2024年6月))

 具体的な活用例として同氏がまず挙げたのが「新しいアプリケーションの構築」だ。構築したいアプリケーションについて、自然言語を用いて指示・記述してLCAPがドラフト版を作成できる。

 たとえば、マイクロソフトの「Copilot for PowerApps」などを活用することで、さまざまな処理の内容を設定するだけで、ユーザーインターフェイスやデータテーブル、制御などの操作を可能にする。AI支援型開発の素晴らしさとして、デイヴィス氏は「最初のドラフト版をすぐに作ってくれる」点を挙げる。構築されたドラフトを確認しながら、宣言文を用いて変更を加えられることが可能となるのだ。

「LCAPは、新興企業にとっては有益なソリューションです。宣言的なアプローチを取ってはいるものの、画面上のドラッグ&ドロップで多くのことが実現できます。コードを記述するわけではありませんが、LCAP基盤がどのように機能するかを理解することは重要です」(デイヴィス氏)

 こうしたAI支援開発についてデイヴィス氏は、単一の文章を入力するだけでアプリケーションの土台を構築できるため、新人の開発者には優れたエクスペリエンスとなるというメリットを挙げる。また、スキルが豊富な開発者はD&Dの機能だけを活用してアプリケーションを構築したり、生成AIをフル活用してより素早くアプリケーションを開発できる点などもメリットだという。

 ただ、LCAPによっては、データソースやモデルのオプションが限定的な場合もある点は注意が必要だ。

「ただ、こうした制約は一時的なものであり、今後改善されてくれば、取り扱えるデータソースも増えてくるでしょう」(デイヴィス氏) 【次ページ】「ワークフロー構築」でAIが果たす役割とは
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます