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- 2023/08/07 掲載
ローコードで開発者は失職? ガートナーが議論する5つの通説「嘘」と「本当」
LCAP活用のために議論すべき「5つ」の通説
「ローコード・アプリケーション・プラットフォーム(LCAP)」はデジタルによるビジネス成果の迅速な創出を狙いに利用が加速している。ツールベンダーはグローバルで700を超え、ガートナーでは2026年までに新規アプリの75%がLCAPで開発されるようになると予測している。ただし、これほど急な普及もあり、LCAPに関しては現状、企業間で意見が一致しないことが多い。ガートナー ディスティングイッシュト バイス プレジデント, アナリストのダニー・ブライアン氏は、「知見の蓄積がいまだ十分でないため致し方ない面もありますが、LCAPをうまく使いこなすために真実の探求は大切です」と訴える。
ブライアン氏がLCAPについて議論すべきテーマとして提示したのが次の5つである。1つ目は、「ローコードはプロコードよりも生産性が高い」である。
LCAPは本来、ソフトウェアによるGUI開発で、コード記述の手間を削減した開発ツールだ。ガートナー シニア ディレクター,アナリストのポール・ヴィンセント氏は、「ガートナーとしても企業のLCAPの利用の狙いを生産性向上と捉えています」と語った上で、「ただし、プロコードよりも生産性が高いとは断言できません」と続ける。
ブライアン氏も、ヴィンセント氏と同意見だ。そもそもLCAPとプロコードツールは単純比較できるものではない。ユーザーの知識レベルはもちろん、開発対象のシステムも異なる。コードを記述する点で生産性が低いと指摘される一方で、拡張性のあるアーキテクチャや、APIによる高度な機能拡張、インフラを問わない実装は、API開発や各種フレームワークでの開発機能を備えたプロコードツールにしか困難である。
「ユーザーや目的により評価基準は当然変わります。ただ、ローコード人気からも効率化効果は明らかで、論点の半分は認めざるを得ません」(ブライアン氏)
専門家で見解分かれる?LCAPの「ベンダー・ロックイン」
2つ目は、「LCAPの中にはベンダー・ロックインを軽減できるものもある」だ。ブライアン氏はこの見解を真っ向から否定する。LCAPツールの多くはアプリを外部にエキスポートして実行でき、この段階においてロックインは確かに存在しない。しかし、「ツール利用を止めた時点でアプリのメンテナンスは不可能になり、この点でLCAPがロックイン・リスクを抱えているのは明らかです」(ブライアン氏)。
対してヴィンセント氏は、「LCAPの中にはプロ開発者向けのコード生成を行うものもあり、引き続きコードの見直しは可能です」と反論。その上で、「そもそもロックインはあらゆる技術で生じます」と指摘する。パブリッククラウドやコンテナ管理システムでも、データ移行時のコストや特有技術などによる一定のロックインは存在するという。
「その中で1つ確実に言えるのは、ローコードにロックインはあったとしても、他技術と比べればそれほどひどくはないということです」(ヴィンセント氏) 【次ページ】LCAPの導入でプロ開発者が失職の危機に?
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