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- 2015/04/01 掲載
「マーケティングがビジネスの中核を担う」 IoTやウェアラブルがもたらす未来予想図は
アドビ システムズ シャンタヌ・ナラヤンCEO
マーケティングがビジネスの中核を担う

「Photoshop」や「Illustrator」といったクリエイティブ市場を主体にビジネスを展開してきたアドビは、2009年よりデジタルマーケティング市場に参入した。同年にWeb解析ソリューション・ベンダーのオムニチュアを買収、その後もWebコンテンツ管理/アセット管理のDay Softwareや、キャンペーン管理のNeolaneなど、各ソリューションに特化した-ベンダーを買収し、製品ポートフォリオを拡充している。これらの製品は、包括的なマーケティングソリューション「Adobe Marketing Cloud」として提供されている。

初日の基調講演は、アドビ CEOのシャンタヌ・ナラヤン氏や、デジタルマーケティング事業部門担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるブラッド・レンチャー氏らが登壇。デジタルマーケティングの今後を展望するとともに、「Adobe Marketing Cloud」の機能拡張も発表した。
ネットワークの高速化やストレージコストの低減、さらにデータ分析技術の向上により、デジタルマーケティングは急速に進化している。同時に、IoT(モノのインターネット)やウェアラブルデバイスの普及など、多様なデバイスが市場に登場したことで、消費者の行動も変化している。
講演冒頭、レンチャー氏は、「近年、IT技術は劇的に変化しており、それに伴いマーケティングの性質が変化している。あらゆるタッチポイントで顧客との接点が持てる現在においては、顧客体験が企業のブランドになっている。企業は多様なデバイスはもちろん、(デジタルサイネージのような)広告媒体やウェアラブルデバイスを通じて、一貫したカスタマージャーニーを提供する必要がある」と参加者に訴えた。

デジタルマーケティング事業部門担当シニアバイスプレジデント
兼ゼネラルマネージャー
ブラッド・レンチャー氏
CEOのナラヤン氏も「IoTが普及し、ウェアラブルデバイスが進化している。世界中で何百万人が(Fitbitのような)フィットネストラッカーを身につけている状況においては、マーケティングの領域が拡大しており、マーケーターにはマーケティング以上の役割が求められる。マーケティングがビジネスの中核を担うことは間違いない」と訴える。
MapReduceやHadoopといったデータ処理技術により、リアルタイムによるデータ分析が可能となった。これにより企業は、消費者に対して最適な商品/サービスを、適切なタイミングで、適切なデバイスに配信できるようになっている。そうした状況をふまえレンチャー氏は、今後のデジタルマーケティングには「Consistent(一貫性)」と「Continuous(継続性)」が重要になると指摘する。「タッチポイントやチャネルごとに分断したアプローチではなく、消費者体験の視点に立脚した統合的なコミュニケーションアプローチをすること。さらに製品販売後も顧客との接点を持ち続け、継続的な関係を構築することが重要である」との認識を示した。

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