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- 2014/07/15 掲載
東京都檜原村で林業を営む東京チェンソーズが、なぜ下請けから元請けへ転換できたのか
下請けからの脱却を図り、創業4年目に元請けへの転換を目指す
読者の皆さまにとって「東京×林業」は、あまり馴染みのない組み合わせと思われるかもしれない。しかし、東京チェンソーズ 代表の青木氏によれば東京都の実に36パーセントが森林で、東京チェンソーズは檜原村を拠点に、奥多摩町、日の出町、青梅市、八王子市などで林業に従事しているという。
東京チェンソーズが拠点を置く檜原村は、どんどん人口が減っている。約14~5年前には約3500人だったものが2010年に約2500人、今では2400人台になっているという。なおかつ林業の就業者も全国的にどんどん減っているのが現状だ。
住む人も、林業をする人も減っていることは、逆にニーズがあるのではないか――。元々地元森林組合に勤めていたという青木氏は、森林組合から独立する形で東京チェンソーズを立ち上げた。当時は4名で、冒頭でも触れたように森林組合からの委託事業が中心だったが、2010年に下請けからの脱却を図り、東京チェンソーズ自身が元請けになることを目標に掲げた。
現在の事業内訳としては、公益財団法人 東京都農林水産振興財団や東京都関係の仕事など公共事業の色合いが強いものが中心で、もちろん森林組合や個人山主からの請負業務もある。具体的な事業内容としては、造林・育林の管理作業の請負、森林の整備、管理、調査、森林に関するイベントの企画、制作、開催だ。
元請けへの転換のためには、優秀な人材の育成が必須
一方、同社が独立した元請けとして成功するためには、やはり優秀な人材の育成が必要不可欠だ。そこで青木氏は求める人材像として、3つの柱を立てた。
1つめが、既成概念に囚われない柔軟な発想と行動力のある人材、2つめが、常に地域社会に貢献する意欲を持って活動できる人材、そして3つめが、現場での技術と知識を磨き、その経験を会社事業に活かせる人材だ。
「しかし林業の現場は、『きつい・汚い・危険』のいわゆる『3K』だと言われました。現場と事務職の温度差も非常に大きかった。たとえば現場は日給月給制なのに対し、事務所は完全月給制でボーナスも出る。さらにはそうした不満もなかなか言い出せない空気があったのです」
そのため待遇に不満を持って辞めていく人が多く、また若い人材が入ってきても長続きしなかった。事務職の人には現場の苦労が見えていない。情報の共有も、意思の共有もされていなかった。そこで青木氏は、社内の基盤づくりに乗り出すことになる。
【次ページ】社内基盤づくりのための「3つの要素」
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