写真1
米国ARTS(Association for Retail Technology Standard)
エグゼクティブ・ディレクター
リチャード・メーダー氏
国内において現在、外食企業システムのインタフェースの標準化を中心に活動している団体に「OFSC(Open Foodservice System Consortium)」がある。OFSCの詳細については後の連載で述べていきたいが、先ごろ開催されたOFSCの全体会合で、米国ARTS(Association for Retail Technology Standard)のエグゼクティブ・ディレクターであるリチャード・メーダー氏(写真1)が招聘され、「標準が変える外食・小売業の企業システム」~ARTS標準の全体像~をテーマに講演が行われた。そこで連載1回目では、特に海外で進む、外食産業・小売流通業におけるITの標準化動向について、その動向を見てみよう。
こうした中、ARTSはグローバルで標準化を進めている。ARTSでは「リレーショナル・データモデル」「UnifiedPOS機器接続標準」「ARTS-XML標準XMLメッセージ」「標準提案仕様書(RFP:Request For Proposal)」の4つの標準を推進しており、各小売業、外食産業、アプリケーション開発、機器メーカーなどの業界に対し、幅広く会員の門戸を開いている。
UnifiedPOS機器接続標準は、バーコードリーダー、POSキーボード・プリンター、紙幣入集金機、自動つり銭機など36種類の周辺機器に対し、すでに実装までが行われている。UnifiedPOSは、UML(Unified Modeling Language)で定義されており、アプリケーションの振る舞いに関する手引きとなるもので、導入先のプラットフォームに実装する。現在、UnifiedPOSには「OPOS」「JavaPOS」「POS for .NET」という3種類の標準が用意されている(図1)。OPOS準拠のPOSアプリケーションはWindowsにのみ対応するが、JavaPOSはWindows、Linux、Solarisといった各種OSやブラウザなど基本的にすべての環境に対応する。さらに最近ではUnifiedPOSを拡張した「RAPOS」(Remote Access POS)へと標準化が進んでいる。RAPOSには「WAMPOS」(Web Accsess Model POS)と「WS-POS」(WebService-POS)があり、Webサービスも合わせて利用できるように柔軟性を持たせている。
図1
UnifiedPOSには「OPOS」「JavaPOS」「POS for .NET」という3つの標準がある。最近では、UnifiedPOSを拡張した「RAPOS」へと標準化が進み、Webサービスを利用できる方向になってきた