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- 2013/03/21 掲載
ゼンショー HD 野々下信也 執行役員が語る、外食トップへの急成長を支えたグループIT戦略
レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama
M&A推進の一方で、類似システムが乱立する状況に
当時のグループITにおける課題は、M&Aを繰り返してきたことで、すき家やココスといった業態ごとにPOSシステムを持ち、またバックヤード側の発注管理や物流管理、あるいは人事/給与、経理といったシステムも別々に存在していたことだ。ガートナー エンタプライズ・アプリケーション&アーキテクチャ サミット 2013で登壇した野々下氏は次のように語る。
「バックヤードの本部/物流/工場系と経理系のシステムについては、すべて同じシステムでいけるのではないかと考え、これらを統合化し、効率化を図ることを目指した。いわゆる基幹システムに相当するもので、原材料の調達から製造、物流、販売までを一貫して管理するためのるMMD(マス・マーチャンダイジング)システムだ。一方、店舗系のPOSシステムは業態によってオペレーションが若干異なるので、ファミリーレストラン系とファストフード系に分けて統合化を図ることにした。」(野々下氏)
また自社の成長スピードに対応できる柔軟な拡張性と信頼性、パフォーマンスを兼ね備えていることも重要な要件で、さらに翌2008年はJ-SOX法が施行される年だったため、内部統制に基づくIT統制を意識しながらシステムを構築していく必要があった。
同社は当初、導入期間短縮のためにも、ERPパッケージを利用しようと考えていたという。
「私の入社前からERPの導入は検討されていたようだ。しかし競合他社との差別化を図るためのグループIT戦略を考えていく中で、ERPでは難しいと思った。経営トップの強い意志と、日々改善活動が活発に行われている現場の意向を十分にサポートするためには、次から次へとシステムを変化させていかなければならない。そうした環境にERPは恐らくフィットしないし、製品自体も高価なものだ。そこで求めるシステムを自社で開発していくことにした。」(野々下氏)
【次ページ】機会損失低減のための仕組みとは
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