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- 2016/01/14 掲載
飲食店コンサルに聞く、IT活用でマスコミ取材を受けたり、人材不足に対応する方法
Webサイト/ECサイトのクラウド活用意向はメールやグループウェアよりも高い
以下のグラフは年商50億円未満の小売/サービス業に対して、クラウド導入/移行の予定を尋ねたものだ。「クラウド」というと、メールやグループウェアなどの「情報共有」を思い浮かべる方が多いだろう。だが、実際には「Webサイト/ECサイト」の方がやや多いことがわかる。特に小売/サービス業では「顧客に存在を知ってもらえるかどうか」が業績に直結してくる。そのための手段として「Webサイト/ECサイト」が重視されているわけだ。
だがクラウド活用の主な効果はITインフラ導入/維持コスト軽減であり、クラウド形態のWebサイト/ECサイトを採用したからといって売上が伸びるわけではない。実際、「大手の店舗紹介サイトに自社ページを開設したが、ほとんどアクセスがない」、「注文受付画面をWebサイトに加えたら、閉店後も対応しなければならなくなり従業員が疲弊してしまった」といったケースも少なくない。
中小企業が効果的なWebサイト/ECサイトの活用法を自力で習得することは容易ではない。そうした役目を担う存在として多くの実績を挙げているのが、今回取材を行った飲食店専門コンサルティング会社「飲食店繁盛会」である。中小規模の飲食店向けコンサル企業としては業界内で知らない者はいないと言われる著名な存在だ。
同社は単にWebサイト開設やメニュー作成を支援するだけでなく、各飲食店の「コンセプト(何を目指すのか?)」や「価値(他と何が違うのか?)」を明確にした上で、それに基づいてさまざまな施策に落とし込むというプロセスを取る点が大きな特徴となっている。
それを担うため、Webサイト/メニュー作成/人事労務/接客サービスといったそれぞれの道のエキスパートが集結している。今回は同社の代表取締役である笠岡はじめ氏に実際のコンサル事例を交えながら、中小企業がビジネスを伸ばしていくための秘訣を伺った。
「外部の力をテコとして上手く活用する」ことが重要
お話を伺ったのは静岡県浜松市の餃子専門店「浜太郎」におけるWebサイト/ECサイトのコンサル事例だ。浜松は宇都宮と並んで全国的にも有名な餃子の街である。そうした激戦区の中で「浜太郎」は大幅な売上アップを実現した。笠岡氏が語る秘訣から見えてくるのは『外部の力をテコとして上手く活用する』という発想だ。
笠岡氏がまず重視するのは「飲食店のホームページはマスコミに見られることを意識する」という点だ。中小企業が初めてWebサイトを活用しようとする際にはインターネット上で自社の名前が自然に広まっていくという期待を抱きやすい。だが、冒頭に述べたように中小企業が自社の認知を高めるためには何らかの強い力が必要となる。
そうした「強い力」の代表例がテレビ番組や大手雑誌などのマスコミ媒体だ。「実はマスコミが取材先を選定する際には飲食店のホームページをチェックする」と笠岡氏は指摘する。
【次ページ】マスコミに取り上げられやすいホームページとは?
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