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- 2023/03/16 掲載
本気を出した「スタバ」が中国で手こずる理由、“唯一”成功「KFC」は何をした?
スタバが本気を出した? 賛否両論の2025年ビジョン
2022年9月、米スターバックスが2025年に向けた中国におけるビジョンを発表し、その内容は多くの業界関係者を驚かせた。スターバックスは2022年末時点で中国に6019店舗を展開しているが、2025年までに3000店舗を新規出店し、300都市9000店舗の布陣にするという内容だ。中国の都市は、北京や上海などの「一線都市」、重慶や成都などの「新一線都市」、大連や昆明などの「二線都市」といった階級分けがあり、一般に二線都市までが大都市と呼ばれ、合計49都市になる。
「300都市に展開する」とは、多くの日本人が名前を聞いたこともない三線都市以下にも展開するということだ。三線都市以下から農村までは「下沈市場」とも呼ばれる。経済力などの指標を可視化した場合に、下の方に沈殿している市場だという意味だ。スターバックスは今後3年で、このような下沈市場に進出をすると表明した。
1杯30元(約590円)以上する米国文化の香りがするスターバックスが下沈市場で受け入れられるのか。「スターバックスが本気を出した」と肯定的に捉える人もいれば、無謀すぎる計画だと否定的に捉える人もいて、評価は割れている。
最強の敵は、店舗数でスタバ抜いた「ラッキンコーヒー」
最も強力なライバルは2018年創業の瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)だ。モバイルオーダーを基本としたスタンド形式の店舗を急拡大し、2019年にはスターバックスの店舗数を抜いてしまった。不正会計問題などで一時停滞したが、経営陣を入れ替え、フランチャイズ方式を採用することで再び成長を始めている。7846店舗(2022年9月末時点)を展開し、店舗数では中国No.1のカフェチェーンになっている。
売上の面でもスターバックスに迫りつつある。スターバックスは新型コロナの再拡大などから2022年Q3には5.44億ドル、前年比マイナス40%という大幅な減収となった。一方、着実に売上を伸ばすラッキンコーヒーは4.21億ドルと、その差を大きく縮めている。うかうかしていると売上の面でも逆転されかねない状況になっている。
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