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- 2023/08/01 掲載
【2023年版】ボーイングVSエアバス受注競争、貢献した印インディゴCEOが語る
連載:「北島幸司の航空業界トレンド」
史上最大、インド航空会社「インディゴ」の発注
今年1番の話題はインドという国の強さを見せつけられたことだろう。まずは、同国最大の航空会社となったLCCインディゴの動向だ。エアバス1社に対して500機のA320シリーズを確定発注させた。これは史上最大となる。そしてインド2位のエアインディアも、エアバスとボーイングに対してオプションを含む両社計540機の発注を行った。インド1国の発注として考えると1000機を超える数字になり、国土の広さと人口を考えると航空大国となった中国の次に成長著しいインドの強さが見えてくる。
パリ航空ショーでの最終的な受注状況を以下のとおり一覧にしてみた。
数字だけで比較するとエアバスの圧勝ということになるが、それは今年のみを切り取ってインディゴの発注で伸びたものであり、過去の発注状況を振り返ってみる必要がある。
ボーイングVSエアバス、コロナ禍前後の受注機数状況
航空業界の歴史がそのまま会社の沿革になるボーイングと、1970年創業で欧州各国の威信をかけた存在のエアバス。近年は航空機製造数で同規模となる競合関係が出来上がっている。両社ともに年間1000機前後で推移するいいライバル関係を続けておりコロナ禍前での受注数は僅差となっていた。コロナ禍での航空旅客の減少による先行きの不透明感から受注数は減少し、2020年には両社ともに300機に満たない数字となった。両社で差が出たのは、2019年の実績となる。ボーイングは最大販売数を誇るボーイング737Maxにて操縦システムの不具合から起こる墜落事故を2018年と2019年で2件引き起こしたことから受注が激減したのだ。ボーイングの2019年受注数は対前年比でマイナス77%にもなった。エアバスが102%を記録した数字と大きな乖離(かいり)が出た。
しかし2022年には僅差でボーイングの受注数が勝った。2023年の予測をするには時期尚早ではあるが、エアバスは現時点で2022年の年間受注数を超えている。コロナ禍の低迷を払しょくするような勢いの航空機売買に回復の早さを期待してしまう。 【次ページ】インディゴCEO語る、インド航空業界の展望
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