- 会員限定
- 2025/02/20 掲載
【トラベラー必見】2025年最新版、世界で最も安全な航空会社は?
連載:「北島幸司の航空業界トレンド」
最も安全性の高い航空会社は?
航空安全性の評価は、第三者調査機関の役割が重要である。たとえば、ドイツのJACDEC(航空情報安全センター)は、航空事故や運航実績に基づく独自の評価を発表している。JACDECのランキングは、世界の航空会社の安全性を客観的に比較するための信頼性の高いデータとして広く参照されている。オーストラリアのAirline Ratingsも同様に、航空安全性の評価を提供する機関の1つである。この評価では、航空機の整備状況、機齢や事故率、運航履歴や訓練状況など多角的な要素が考慮されている。
同社が2025年1月12日に発表した航空会社の安全性ランキングのトップ10は下記のとおりとなり、1位ニュージーランド航空、2位カンタス航空、3位キャセイパシフィック航空、カタール航空、エミレーツ航空、4位ヴァージン・オーストラリア、5位エティハド航空である。ANAは6位、JALは19位にランクインした。
一方LCCのランキングは、下記のとおりで、1位香港エクスプレス、2位ジェットスターグループ、3位ライアンエア、4位イージージェット、5位フロンティア航空である。日系LCCは、2位にジェットスタージャパンがグループとして入り、ZIP Airが23位にランクインしている。
なぜエミレーツ航空は安全性で高評価?
Airline RatingsとJACDECの2つの調査でトップ10に入る航空会社は、エミレーツ航空、エティハド航空、キャセイパシフィック航空の順となり、トップ20までの日系エアラインを含めると、ANA・JALが入る。今回の複数のデータを集計すると、世界一安全な航空会社といえるのはエミレーツ航空となった。同社は、メガキャリアでありながら、大手の中では最少機種を運航する。昨年末に最新鋭機エアバスA350を導入するまでは、エアバスA380とボーイング777-300ERという広胴機を2機種のみの保有だった。機種を絞ることで整備上の経験値が上がり、質が向上する一面もあるだろう。
また、同社は、社内に航空学校となるフライトトレーニングアカデミーを持ち、自社でパイロットを育成することでも知られている。
整備部門のエミレーツエンジニアリングでは、30社に及ぶ他社の整備も引き受けているのだ。1985年に誕生したという浅い社歴を、信頼の実績の積み重ねで埋め合わせてきた。同社はサービスの質でも評価されるが、それだけではなく安全品質も高かった。 【次ページ】なぜANAはJALより上位にランクイン?
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR