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JALグループの情報セキュリティ対策を変えた“ある出来事”
背景には同社がDXを経営戦略の中核に位置付け、長期的な視点で取り組んでいることが挙げられる。同社 デジタルテクノロジー本部 システムマネジメント部 セキュリティ企画グループ グループ長の安達 太一 氏は、同社のDX戦略を次のように説明する。
「JALグループでは、現在の中期経営計画でESG戦略による価値創造を実現し中長期的な成長として掲げ、その中にDX戦略を位置付けています。そして、我々、デジタルテクノロジー本部の役割は、全社のDXを推進することと、DXで一層重要となるシステムの安定稼働を確実にすることです」(安達氏)
もちろん、情報セキュリティ対策も同本部の重要な役割だが、特に重点的に取り組むようになったのには、あるきっかけがあったとデジタルテクノロジー本部 システムマネジメント部リスクマネジメントグループ グループ長の嶋戸 洋祐 氏は次のように振り返る。
「今から10年前の2014年、顧客情報システムへの不正アクセスによって、お客さま情報が漏えいする事故が発生しました。システム部門には大きな衝撃が走り、私自身もあのときの恐怖は今でも忘れられません。それをきっかけに情報セキュリティへの意識が変わり、人もお金もかけて対策を進めてきました」(嶋戸氏)
もともと航空会社には、航空機を安全に運航するという安全文化がある。嶋戸氏は「10年前は、情報セキュリティがその安全安全文化に追いついていませんでした。10年をかけて、そのレベルを少しずつ上げてきたのです」と述べる。
では、今現在、日本航空の情報セキュリティ対策(以下、セキュリティ対策)は、どのようなレベルに達しているのだろうか。
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・航空機も対象に? 航空会社特有のセキュリティ対策
・安全文化の醸成に欠かせない「クラウドリエゾン」とは
・多様化する攻撃に備える「スイスチームモデルと多層防御」
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