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- 2023/07/14 掲載
日本がとん挫した「航空機製造」で中国が存在感、ボーイング・エアバスの対抗馬になりうるか?
連載:「北島幸司の航空業界トレンド」
中国が世界の航空機製造で成功する2つの理由
COMACがARJ21およびC919の商用飛行を開始したことは、中国が航空機製造の分野で存在感を増していることを示唆している。以下に、中国が世界の航空機製造において成功する2つの可能性を考察した。市場拡大:中国は人口の増大や経済成長により、航空需要が急速に拡大している。国内市場の成長に加えて、ポストコロナのこの先は中国の航空需要が国際的にも増加していくことが予想される。これにより、中国の航空機メーカーは需要に応えるために生産を増やし、市場シェアを拡大する可能性が大きい。国土面積は米国とほぼ同じで、人口は約4倍である。輸送力が航空大国の米国に追いつくのも時間の問題であると思われる。
技術と品質の向上:COMACは技術力の向上に注力し、国内外のエンジニアリング会社と協力関係を構築している。中国は航空機製造の分野においても研究開発に多額の投資を行っており、技術や品質の向上が期待される。具体的にはエンジンは、CFMからLeap-1Cの供給を受けている。これにより、中国の航空機メーカーは競争力を高め、世界市場での存在感を増す可能性がある。
海外市場への進出拡大予定の中国COMACの展示
パリ航空ショーでCOMACは展示ホール1の壁面に大きなサインボードを掲出した。建物内部にブースがあることを示す案内だ。ホールは複数に分かれており、複雑なことからこのサインは分かりやすい。実際に展示ブースに向かうと、ARJ21とC919の大型模型を飾り、壁面を覆うばかりの大きな画面では将来飛ぶことになるC929ワイドボディジェット機の飛行する様子が映し出されていた。
対応してくれた恩 思磊さんによると、情報として提供できるものは、ARJ21とC919の現状のプレスリリースであり、これから開発が進むC929に関しては、2027年に初飛行を予定していることを教えてくれた。 【次ページ】ボーイング・エアバスに追いつける?中国航空機製造の課題
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