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- 2019/01/28 掲載
AR、VR、MRに続く「xR」とは? 医療や教育でどう活用されるのか
【CES2019現地レポ】
医療分野で期待されるxRアプリケーション
CES期間中に開催されたカンファレンスのなかに「ゲーミングを超えたxR」というパネルディスカッションがあった。司会はCESのサイアン・デブ氏、パネリストはOsso VRのジャスティン・バラッド氏、フォーブス誌のチャーリー・フィンク氏、ヘリウム社のCEOであるサラ・ヒル氏、HTC Vive ヴァイス・プレジデントのビネイ・ナラヤン氏と、まさにハードからソフトを網羅するメンバーである。テーマは今後のxRのビジネスアプリケーションへの可能性だが、Osso VRのバラッド氏は「医療用機器のトレーニング目的としてのVR」の有用性を語った。バラッド氏は自身が外科医でもあり、Osso社で外科医のための手術トレーニングVR開発に携わっている。
同氏によると「医学大学院を卒業した新人医師のおよそ3割が、まったく手術の技術がない状態で現場に出ている」という。この現状から、VRによる手術トレーニングは新人研修に有効であるだけでなく、ベテラン医師にとっても困難な手術前の練習として利用が広がっている。ARについても、手術中のガイドや患者の症例の説明など、医療の現場に存在するさまざまな問題へのソリューションの役割を果たすものになっているという。
一般ビジネスからPoC、教育や旅行にも広がるxRの可能性
また、PoC(概念実証)の分野でもxRが重要な役割を果たす。PoCは新しいプロジェクトが実現可能かどうかを技術的観点から検証する行程だが、これにxRを導入することにより、大幅な時間短縮が可能となる。
企業としての成功例としては、航空宇宙産業大手のボーイングが挙げられる。同社では技術開発、メンテナンス、人事トレーニング、顧客サービスなど、異なる部署で異なるxRを活用することにより、年間で2,000万ドルものコストを削減しているという。
またヘリウム社のヒル氏は、教育現場でのxR導入の重要性についても語った。現在、米国では一部の小学校、中学校で実験的にARを用いた教育教材の利用が行われているが、子供の理解を深める、見落としをなくす、という面で効果が見られるという。
従業員教育も同様で、ケンタッキーフライドチキン、ウォルマートなどの大手が新人教育にxRを導入している。顧客対応をはじめとする職務手順をバーチャルに行うことで研修期間が短縮され、即戦力の育成に役立てることができるという。
もう1つxRが活躍するのが旅行業界だ。旅の目的地を決めるためのVRによる旅行体験の提供、現地でのガイドとしてのAR活用など、旅行業界にとってxRは便利なビジネスツールとなる。自動車ディーラーでもVRにより新車の試乗体験を提供するところが増えており、カスタマーの意思決定にとって、VRの役割が注目されつつある。
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