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- 2017/10/16 掲載
エネルギー・建設業界のドローン活用解説、「太陽光パネル」から「橋梁点検」まで
橋梁やトンネルなどの社会インフラの検査・点検
しかし、現場で課題となっているのは、市町村道での橋梁点検に関し、町の約3割、村の約6割で橋梁保全業務に携わっている土木技術者が存在しないことです。地方公共団体の橋梁点検要領では、遠望目視による点検も多く(約8割)、点検の質にも課題があります。
そこで国土交通省が推進しているのが、ドローンをはじめとした次世代社会インフラ用ロボットの開発・導入です。ドローンを活用して、地方を中心とした検査人員の不足を補い、老朽化が進む橋梁やトンネルの補強を推進します。
ドローンによる橋梁の検査方法
ドローンによる検査方法は、橋梁の箇所によって異なります。橋梁は、1.橋面、2.上部構造、3.下部構造の主に3つの構造に分かれています。橋面では、(1)高欄の変形・排水管の損傷、(2)路面のひび割れ、(3)伸縮装置の異常といった点検が必要ですが、これは橋面ということもあり、ドローンを使う必要はありません。
上部構造では、(1)中間床版(ひび割れ、塗装の劣化)、(2)コンクリート桁(ひび割れ<位置と方向>)、(3)鋼桁(疲労亀裂、変形、座屈)、(4)高力ボルト、ゴム支承、鋼製支承といった点検が必要です。ここにあるひび割れ、塗装の劣化、疲労亀裂、変形などが、大きな橋の場合は人手で行うのが困難で足場などのコストもかかるため、ドローンなどのインフラ用ロボットに期待がかかっています。
下部構造では、(1)橋台・橋脚(表面の損傷、洗掘)、(2)橋脚の横梁、(3)橋脚の下部、(4)橋台とその周辺(パラペット<胸壁>のひび割れ)、(5)桁端部(遊間異常)といったところの点検が必要ですが、このうち橋台・橋脚において、通常のドローンでの点検に期待がかかっています。また、水中部の橋台・橋脚においても、水中ドローンによる点検の実証実験が始まっています。
【次ページ】ドローンを使ったインフラ点検を阻む2つの技術的な課題
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