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  • 2018/05/11 掲載

ドローン業界のこれまでを復習 法改正の影響と市場予測のあたりはずれ

連載:ドローンが描くビジネスの未来

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ドローンビジネスは、従来の一般消費者向けから業務向けへのシフトが鮮明になってきました。今回は、その背景とドローンビジネスの構造を説明しますので、今後のビジネス戦略を立てる際の参考にしてください。また、日本国内におけるドローンビジネス市場規模の予測とドローンの技術概要もあわせて解説します。
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一般消費者向けから企業・組織向けにシフトするドローンビジネス
(© Tatiana Shepeleva – Fotolia)



ドローンのこれまで

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 もともと軍事用として開発されたドローンは、2007年にクリス・アンダーソン(元「Wired」編集長、現3D Robotics CEO)によってホビーユーザー向けのコミュニティサイト「DIY DRONES」が立ち上げられたころから、ホビーユーザーの間で注目され始めました。

 その後、2010年代前半より、DJIがPhantomをはじめとする機体を開発、提供することで一般消費者市場を席巻し、世界の70~80%のシェアを獲得しました。

 2014年ごろからドローンの業務活用に向けた検証や実験が行われ、各国で法律やルールも制定されてきました。

 日本でも、2015年12月に無人航空機(ドローン含む)向けに航空法が改正されました。これにより、無人航空機の飛行の許可が必要となる空域と無人航空機の飛行方法のルールが決められました。

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無人航空機の飛行の許可が必要となる空域(国土交通省

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承認が必要となる飛行の方法
(出典:国土交通省


 この法律改正により、200g以上の機体であれば、業務用途だけでなく一般のユーザーにも法律が適用されるため、ホビーユーザーが手軽にドローンを飛行させることは難しくなりました。

 一方で、業務活用を目的とするユーザーにとっては、曖昧さのあった利用に関するルールに一定の線引きがされたことで、活用が容易になりました。また、国土交通省もこれまで、1万件を超える申請に対する許可を与えてきました。

 日本以外の国々でも、程度の差はありますが、同様のルールが作られて運用されてきています。これにより、多くの国でドローンビジネスのターゲットが一般消費者から企業などの組織に大きく変わってきています。

 一般消費者向け市場においてDJIが突出して大きなシェアを獲得したこともあり、その他のドローン製造企業のターゲットが一般消費者から企業・組織にシフトしてきていることも、この変化に拍車をかけています。

 代表的な例は仏Parrot社です。2017年に一般消費者向けドローン事業を再編する一方で、商用ドローンに関しては投資を継続すると発表しました。マッピングやモニタリング、農業、検査といった分野で活用される商用ドローンの開発投資は、継続していく方針です。

ドローンビジネスの構造と特徴

 ドローン関連ビジネスの中心が、一般消費者向けから企業・組織に変わったきたことで、ドローンビジネスには、以下のような構造ができあがりつつあります。

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ドローンのユーザーを図で解説

 「ハードウェア」は、ドローンの機体メーカーはもちろん、機体制御センサー機器メーカー、データ取得機器メーカー、電池やモーターなどの周辺機器・部品メーカーも含みます。

 「サービス・ソフトウェア」も重要です。ここにはサービスやソリューション提供企業、ソフトウェア開発企業が含まれます。その他の関連ビジネスは、操縦者育成スクール、ドローンの練習場/飛行場、保険など、さまざまな分野に広がっています。

 ドローン事業者のビジネスモデルには、スピードが必要です。また、ドローンを活用する企業・組織の提供サービスは各々のビジネスターゲットに合わせていることもあり、各企業の強みを活かそうとすると垂直統合が難しく、典型的な水平分業モデルとなっています。そのため、企業間での連携をどうやって結んでいくかが鍵となります。

 また、ドローンを業務活用する企業・組織は、農業や建設・土木、観光、自治体に多く、全国に薄く広く広がっており、地域のパートナーとの連携も重要になってきます。したがって、地域企業はその地域にしっかりと対応できる体制を整備することが重要です。

【次ページ】ドローン市場予測と実際の違い
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