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- 2018/12/12 掲載
デジタル変革に向けて、CEOはCDOを「上手に」任命せよ
松岡功「ITキーワードの核心」:第5回
企業のCDO設置率は49%に――KPMG調査
このCDOの現状について、KPMGコンサルティングが先頃公表した調査レポートの内容が興味深かったので、今回はこの機会にCDOについて考察してみたい。
KPMGコンサルティングが公表したのは、日本を含む世界84カ国、3958人のCIO(最高情報責任者)やITリーダーを対象にした意識調査「Harvey Nash/KPMG 2018年度CIO調査」。今回が20回目の年次レポートで、2017年12月から2018年4月にかけて実施したものだ。
同社が先頃開いた会見で浜田浩之 執行役員パートナーが説明した同調査の結果によると、「自社組織内にCDO職か、その役割に相当する役職を設置しているか」との問いに対し、下図に示すように、専任のCDOを設置している割合が11%ある一方、その倍以上の24%がCIOによる兼任、また14%がCIO以外の役職者による兼任と回答。これらを合わせた49%が「専任または兼任のCDOを設置している」と答えている。
ちなみに、この49%に相当する過去の調査結果を見ると、2016年度で18%、2017年度で25%。この流れから、今回の調査では前回に比べて設置率がほぼ倍増したことになる。
もう1つ、興味深い調査結果を取り上げておこう。下図は、「デジタルによるビジネス変革ビジョンの推進」と「デジタルの活用を目的とした業務プロセスの再構築」において、「自社組織はそれぞれの取り組みに対してどの程度の効果を上げていると思うか」との問いに対し、CDOの専任、兼任、不在別に「非常に効果的」と答えた回答者の割合を示したものである。
この結果で、CDOの有無において割合に差が出るのは当然として、CDOがいる状況で上部のグラフが35~37%、下部のグラフで25~30%という割合が適当か少ないか、見方が分かれるところだろう。
さらに、下部のグラフでは兼任が専任を上回っている。これは「業務プロセスの再構築」が目的だけに、CIOと兼任のほうが効果的との見方が優勢とも受け取れる。
【次ページ】CDOとCIOの理想的な関係とは
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