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- 2018/11/15 掲載
仁義なき「地図アプリ」戦争、なぜ最強グーグルにウーバーらは挑戦するのか
地図アプリ競争の本質は「自動運転」開発競争
現在急速に開発が進む自動運転だが、実現に必要な要素は多岐に渡る。もちろんEVを基本とする車そのものが必要だが、それに加え周囲の状況を把握するためのセンサー、周囲の車両や道路、あるいは中央情報処理センターとコミュニケーションを取るための通信、それらの情報により車の制動装置をコントロールするためのAI、そして重要なのが地図アプリだ。
自動運転はあらかじめルートを設定して車がそれに沿って走行する。最新のマップに加え、渋滞や事故情報をリアルタイムで組み込み、最も効率の良いルートを選定する必要がある。そのためには地図アプリは欠かせない。現在自動運転に取り組む企業の中で、マップの面で最も情報量で優位に立つのはいうまでもなくグーグル傘下のウェイモだろう。
地図アプリを有することは、それを利用する人々のデータを収集し、より正確なマップに反映させるサイクルを持つということだ。つまり自動運転導入に当たり、多くの車両がマップを利用することでそこからリアル道路情報が還元され、マップの精度向上に繋がる。グーグルの一人勝ち状態では最も重要なデータが吸い上げられてしまう。これを避けるため、アップルはそれまでiOSにもGoogle Mapを採用していたが、2012年にアップルマップを作り上げiPhoneなどに搭載するようになった。
地図ビジネス市場は今後6年で3倍に
自動運転だけでなく、地図ビジネスそのものも今後の成長がより見込まれる分野だ。グローバル・マーケット・インサイトの調査によると、全世界での地図ビジネスの市場規模は2017年には140億ドルだったが、毎年15%以上の成長を続け、2024年には3倍近くに膨れ上がる見込みだという。地図アプリはさまざまな用途に利用されるが、中でも車両コントロール、ガイダンスアプリケーションの分野は今後年間で20%近い成長を遂げるとされる。
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