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- 2018/06/29 掲載
いよいよ始まった大学の再編・統合、地方の国公立大も安心できないワケ
学生が激減してからでは手遅れ
北海道の3国立大、4年後統合で合意書
リクルート進学総研のまとめでは、北海道の短期大学を除く大学進学者数は2016年度までの10年で0.5%、88人減少した。少子化の影響で、道内の18歳人口は2028年までの10年でさらに6,000人近く減る見通しだ。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は、2045年の道内人口を約400万人と予測した。今後30年足らずの間に、130万人以上減少する計算だ。3校とも現状で定員割れはないが、急激な人口減少に不安を感じている。このため、3校で4月から集中的に話し合い、統合に合意した。
合意書は帯広市に新国立大学法人「北海道連合大学機構(仮称)」を創設、2022年4月に3国立大学法人を統合することを目標としている。教員の人事配置などで3校の自主性を尊重しながら、専門分野の知見、研究成果を融合する連携事業を進める内容。将来、道内の他の国立大学が参加できる開かれた仕組みにする。
帯広畜産大は「少子化の現状を考えると、20年、30年後も定員割れがないとはいえない。早めに統合して大学としての魅力を高め、将来に備えたい」と狙いを述べた。3校にとり、少子化克服に向けた苦渋の選択だったことは間違いない。
四国では国立大と私立大が公認心理師で連携
国立大と私立大が本格的な連携に動く例も出てきた。徳島県の国立鳴門教育大は私立の四国大と2018年に初の国家試験が実施される公認心理師の養成で連携し、養成に向けた授業を始めている。公認心理師は心理職として初の国家資格で、国家試験を受験するには所定の25科目を学べる養成大学を卒業し、病院などで2年間心理関係の仕事をするか、養成大学院を卒業しなければならない。公認心理師を希望する学生に四国大と鳴門教育大大学院で学んでもらい、安定して学生を確保する狙いがある。
四国は北海道と同様に急激な人口減少が予測され、社人研は2045年の人口を2015年より26%少ない約280万人と推計している。鳴門教育大に定員割れはなく、四国大は学部に限れば97.6%の定員充足率を確保しているが、先行きに不安が伴う。
四国大生活科学部の高村茂教授(犯罪心理学)は「オープンキャンパスなどで公認心理師に対する受験生の反応は上々。大学の将来を考え、連携に力を入れたい」と意気込みを語った。
【次ページ】大学の2018年問題、18歳人口が急減
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