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- 2024/01/15 掲載
日東駒専と大東亜帝国、大手就職に差はあるか? 日本衰退を招いた「学歴問題の元凶」
連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
企業規模の違いで賃金に「激しい格差」
これが学歴社会だ。実際、日本の賃金は企業規模によって著しい格差がある。
令和4年賃金構造基本統計調査によれば、男性の平均月額賃金は、大企業で38万6,600円、中企業33万1,200円、小企業30万8,100円、女性の平均月額賃金は、大企業27万8,200円、中企業25万7,000円、小企業24万1,300円となっている。
日本では、転職が頻繁には行われず、最初に就職した企業で定年退職まで勤務する場合が多い。したがって、卒業時点で大企業に就職できるかどうかが、その人の一生を大きく左右してしまう。
そして、大企業に就職できるかどうかは、学歴によって左右される度合いが大きい。だから、「日本は学歴社会」と言われるのだ。企業の採用方針が適切かどうかはさておき、まず、大卒者のうちどのくらいが大企業に就職できるのかを見ることにしよう。
大企業への就職は「大卒で42%」「高卒で25%」
雇用動向調査(2022年)の「企業規模別、学歴別」によると、年間の大学卒新規採用者は、約49万人だ(注1)。このうち大企業(従業員数1000人以上)の採用が約21万人(大卒全体の42.9%)になっている(図)。それに対して、高校卒の新規採用約62万人のうち大企業は、約16万人(高卒全体の25.2%)だ。
このように、高校卒で大企業に就職するのは大学卒より難しい。大企業に就職することが最終目的であれば、大学進学はその目的達成の確率を引き上げる有効な手段だということになる。
ただし大学卒であっても、すべての人が大企業に就職できるわけではない。特に大企業の場合、「ターゲット校」(採用重点校)があり、選考の過程で、大学名でフィルターをかける「学歴フィルター」もあると言われる。
では大卒の中でも、大企業に就職できる境界線は、具体的にどこなのか? 【次ページ】日東駒専と大東亜帝国、「大手就職の難易度」に差はあるか
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