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  • 2024/01/01 掲載

1人当たりGDPは「韓国」にも抜かれる?壊滅近づく「日本経済」復活のカギは教育・育成

連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質

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新年を迎えて将来への希望を膨らませたいが、日本経済の現実は厳しく、閉塞感を打破できていない。この状態から脱出するには、何が必要だろうか? 世界の中でも日本の評価が極めて低い高等教育や人材育成こそが、日本を再興させる突破口となるのではないか。
執筆:野口 悠紀雄
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図1:日本経済の復活は高等教育・人材育成がカギ(後ほど詳しく解説します)

人材の世界ランキングで「日本」は最低水準

 さまざまな国際比較で日本の地位が低下している。とりわけ、人材に関するランキングで、日本の地位は極めて低く、項目によっては、世界最低の評価になっている。

 たとえば、スイスのビジネススクールIMDが毎年公表している「世界人材ランキング」2023年版(2023年9月21日発表)では、「上級管理職の国際経験」への評価が、調査対象64の国・地域の中で最下位だった。「有能な上級管理職」は62位、「語学力」は60位、「マネジメント教育」は60位だった。

 また、IMDの「世界のデジタル競争力ランキング」2023年版(2023年11月30日発表)でも、上級管理職の国際経験やデジタルスキルの取得に関して世界最低水準が続いている。「上級管理職の国際経験」(64位)、「デジタル/技術的スキル」(63位)、「高度外国人材への魅力」(54位)の3つがとりわけ低い。

過去最高でも「中国」に追い抜かれた「日本の進学率」

 基本的な原因は、教育、特に高等教育であると考えられる。では、日本人の学歴は、国際的な水準と比べてどうだろうか?

 日本の大学進学率は、1990年代の30%台から2002年以降は40%台となり、さらに2013年からは50%台となった。2022年度には、前年度から1.7ポイント上昇して56.6%となり、過去最高を更新した(文科省が12月21日に公表した学校基本調査の確定値)。短大・専門学校なども含む高等教育機関への進学率は、前年度と同じく83.8%で過去最高と同水準だった。

 これを他国と比べると、高いか低いか?

 国際比較では、高等教育への進学率として、大学進学率でなく、「第3期の教育(tertiary Education)への進学率」(注)という指標が使われることが多い。

注) 大学のほか、職業専門学校なども含む概念。primary education(初等教育)、secondary education (中等教育)の次の段階の教育課程だ。

 これを世界銀行のデータベースで見ると、冒頭でも示した下記の図1の通りだ。なお、図表の数字は、総入学者数を入学適齢人口で割った比率だ。分子には浪人生や社会人、留学生など適齢年齢以外の入学者も含むため、数字が100%を超えることがある。

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図1:高等教育の進学率は世界各国と比較してもかなり低い
世界銀行より筆者作成)

 日本は64.1%で、先進国の中で高いとは言えない。米国は88.3%だ。また、韓国が99.9%と、極めて高い値になっていることが注目される。

 図1のデータを時系列的に見ると、図2の通りだ。

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図2:日米中韓の高等教育進学率の推移。次のページで詳しく解説します
【次ページ】日本・米国・中国・韓国で進学率を比較、注目すべきは3点
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