- 2024/12/16 掲載
学ばない日本の大人…でも結局「何を勉強」すべき? グーグルら求める「5スキル」など
連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
何を勉強すれば良い? を知るために必要な「2つのこと」
リスキリングの重要性がさまざまなところで強調される。技術と経済社会の条件が急激に変化しているので、これまで身に付けてきたスキルだけでは十分に対応することができない。そのため、新しい条件に適応した新しいスキルを学ぶ必要があると言われる。確かにその通りだ。これらを正しく把握するのは、大変難しいことである。リスキリングの過程の中で、恐らく最も難しいところだ。しかも、大変重要なことだ。進む方向を間違えては、どんなに勉強しても、無駄になってしまう。
これらを把握するためには、第1に、将来の経済がいかなるスキルを要求するかについて知る必要がある。そのためには、社会がどのように変わっていくかを把握する必要がある。いまは需要が強いスキルであっても、将来はAIなどによって自動化されてしまう場合も多い。
第2に、自分の適性を知る必要がある。需要の多い分野は多くの人が勉強している。したがって、自分が比較的優位に立てるとは限らない。一般的な需要が多いものに対応しようとすることが必ずしも最適な戦略とは言えない。
「自分の専門」を知らない人が多い
就職する時も、どのような仕事をするかより、待遇がどうであるとか、業界内の地位などによって会社を選択する人も少なくない。自分の専門分野は何かということを、リスキリングによって初めて意識する人も多いだろう。
また転職や退職後の仕事のために、資格取得を考えている人が多いだろう。そのためにリスキリングをする。この場合には、勉強すべき内容は明らかだ。過去の問題を見れば、それがはっきり示されている。それにすべて答えられるようにすれば良い。
しかしリスキリングの必要性は、資格試験の合格に限ったものではない。では、具体的にどのようなスキルが必要なのか? 【次ページ】グーグルらが求める【5つのスキル】
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